第二訓 4



「木野。見回り行くぞ」

「あ、はい…っ」






継美さんと里美さんは今日は非番。
亜希ちゃんは仕事のはずだけど屯所に声が響いてないってことは、総悟くんと一緒にサボリに行った可能性が高い。

そんな中書類整理をしていたら、副長に声をかけられた。
書類を整えてから書類が飛ばないように襖を閉めて、そのあとに続く。






「あの、今日はどちらへ…?」

「かぶき町方面だ」

「かぶき町……」






あの街は騒がしいけれど人情にあふれた面白い街。
見回りに行くのは久しぶりだけど、何か変わったことはあるだろうか。

真選組に悩みを言ってくる民間人は少ないけれど、なにか力になれることがあればいいな。





ザワザワ…


「あ?なんか向こうの橋の方騒がしくねェか」

「ほんと、ですね」






橋の方が騒がしくて、橋の上には人だかりも見える。
何かあったのなら解決しないと、と足を向ける。

そこには―――。






「オイオイ、何の騒ぎだ?」

「ええ、女取り合って決闘らしいでさァ」

「女だァ?くだらねェ。どこのバカが……

「近藤局長………」






川原には、気絶して倒れている局長の姿があった。

そういえば継美さんがぷりぷり怒っていた気がする。
継美さん、局長を尊敬してる部分もあるから女だなんだのいってうつつを抜かしてるのが嫌だったのかな。

(ふふ……)






「おい、木野。連れて帰んぞ」

「はい」








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