しがみついて泣き叫んで、それでも
サスケが来ない事でザワザワし始めた会場で欠伸を一つ……まあ、大名も忍頭も次の試合を見に来たようなものだから仕方ないといえば………
《カイア、スザク》
「「!」」
この声……リーダー?まさか、色々法則無視して頭に話しかけて来るとは思いもしなかった………
《少しでいい、マンションに帰って来い》
「「……」」
スザクと視線を交わらせ小さく頷きあってその場を後にしようとした時………
「ん?お前ら何処に行くんだ?」
「…ちっ」
「聞いただけで舌打ちかよ…」
「お手洗いって行ったら分かるか、ああ?」
「「「「「(機嫌悪っ!!)」」」」」
フン…と鼻で笑ってスザクと共にその場を去った。
「ただい…ゴフッ!?」
「Σカイア―――!!??」
マンションに帰って扉を開けた瞬間、カイアはサソリからの腹部突撃を喰らって吐血。何してんのサソリ――!!??
「アホか!」
「サソリは親馬鹿だからね」
「度ガ過ギレバムカツクダケダナ」
「お、おふ……だ、だいじょうぶ…!」
ぐって親指突き出してくるけど見た感じ顔青いし駄目なの明らかだから!!!そうやって玄関先で騒いでいれば角都が出てきて………殺気を向けられた。騒いで本当にスミマセン…!ここで謝らなければ地怨虞の餌食だ、確実に。だって、背後に心臓を頂く!って書いてあったもん!!!!!!
「やっほー、久しぶり!」
「「相変わらずテンションたけーな、バカリーダー」」
「君たちも変わってなくて安心したよ!!!」
「「「「「…。」」」」」
いい大人が泣くなよ……リーダー…。
「ところで用事って何、知ってると思うけど中忍試「験最中なのは知ってる」いや、遮らないでよリーダー」
「中忍試験終了後から尾獣狩り始めるよ☆」
「「「「「ノリ軽ッ!!」」」」」
"始めるよ☆"じゃないんだけど!!??
「カイアにはとある場所に行ってもらって、スザクには暁を出て貰う」
「……ハイ?」
「スザクには"うちは"として木ノ葉内部に戻って貰うだけだよ」
「お前ハ"ウチハ"ノ上ニ、犯罪者デモ何デモナイ普通ノ子供ダ」
「で、でも、うちだって…!」
「俺たちと一緒にいたいのは分かる。だが、お前はもう来るな、スザク」
「に、兄、さん…?」
どうして、そんな事言うの……?
「うちが嫌いになったから!?」
「違う…だが、お前はもうついてくるな」
「どうして!!!」
「……許せ、スザク」
とん…と額を小突かれた。ぐるぐるぐるぐる目の前が回って、目の前がぼやけて……。
「どう、…して……」
ドサ…ッ
「………イタチ、」
「カイアに教えて貰った通りの術でスザクの記憶を封じた。今や誰にも解けないのだろう?」
「…うん、記封印は誰でもかけられる封印だけど…解けるのは闇月一族だけ…」
「「「「「………。」」」」」
イタチがそっとスザクを抱き上げてベットに寝かせる。ごめんね、スザク……もう、一緒にいられないんだね……。
「……スザク…、本当はね……スザクは犯罪者じゃないんだよ」
「………スザク、」
「スザクを…汚したのは……「言うな」……ごめん、イタチ…」
ごめんね、スザク……。マンションを出て管理人にスザク一人だけが住んでいたという幻覚をかけ荷を全て引き払った。
「これより"暁"は尾獣狩りを始める。カイアには…後日連絡する」
「「「「「………。」」」」」
「捕獲次第連絡しろ。散!!」
バッと散って行った黒……一人残った僕は会場へと歩を進める。そんな中、背後を砂の忍に取られたけど……僕を襲うなんて、百年早いんだよ。
ブシャ…ッ
……鮮紅が散った。
「な、何だ…こいつ!」
「ん?ちょっと待て!こいつ手配書に乗っていたカイアとかいう…!」
「何!?」
「もう殺すなって命令は聞かない」
僕はもう、木ノ葉ではいられないから………砂の忍を殺して、殺して、会場に辿り着いた。
「!、カイア…、っ其の血…」
「ごめんなさい、カカシ先生」
「お前……」
「もう約束なんてどうでも良くなったんです。ね、真っ赤でしょ?」
「………。」
「先生、」
"さようなら"と紡ごうとした唇は………先生の唇によって塞がれていた。
「……、…どう…して…」
「行かせないよ、お前はまだ行かせない」
…何で、こんな事するの……
しがみついて泣き叫んで、それで貴方を愛せたらよかった
どうしたって……無理なのに、望んでしまってからは…遅いのに、
「どうして…」