万太郎になっちゃったよ | ナノ


▼ 僕の後輩がヤバい:ジェイド

僕の後輩がおかしいの続き

こんにちは僕です。キン肉万太郎です。僕の事は以下省略。前回、僕はジェイドに押し倒されてR-18展開になってアーッ!ってなるかと思えたけど寸前に救世主ミートが帰りが遅い僕を探しにやって来て事なきを得たんだ。今回ばかりはミートの過保護さに感謝感涙だよ。あのままいっていたら僕は伯父上直伝のナパームストレッチを割りと殺す気でジェイドにかけていたかもしれない。R-18Gになっていたかもしれなかったんだ。可愛い後輩を半殺しにするなんて悪夢過ぎるけど掘られよりかマシだ。僕はそんなお人好しじゃないよ。

問題は今後の事だった。僕はどうすればいいんだろう?手っ取り早い解決策は僕の意思を彼にちゃんと伝えることだろう。恐らく彼は相思相愛だと高確率で勘違いしているだろうし。しかし、胸が痛い。OKしといて無しとか高く上げて落とすようなもんだ。僕の選択ミスとジェイドの早とちりから起こった事故。僕、罪悪感で胃が痛くなってきたよ。新しい胃薬買わなきゃ。そんな訳で僕は明日なんて来なきゃいいのにとビクビクしてたんだけど。でも世界は残酷だ。明日は当然やって来る。

「先輩!お早うございます!」
「あ、お、お早う」

早朝、キン肉ハウスのドアを開けばジェイドが輝かしい笑顔で待ち構えていた。わー今日もワンコみたいで可愛いなー。昔ならそう思えた。逃げたい。すごく逃げたい。これまでの人生を放り投げて、今の自分を完全否定して逃げたい。でも逃げたら死ぬかもしれない恐怖心が僕をその場に留める。人間関係の崩壊か死かとなったら僕は人間関係の崩壊を選ぶわ。

「ジェイド、君に話がある」
「!何ですか先輩!」

僕は覚悟を決めた。全部、僕の責任だ。僕が本物じゃないから、僕が優柔不断だから、彼に憎まれたらその感情を受け入れる。悲しいし怖いし寂しいが僕はそれよりも自分の貞操が大事だ!一番理想は昨日のは罰ゲームだったんですよー落ち。期待してます。

「ここじゃあ、少し話しにくいから別の場所に移動しようか」

ミートに出掛けると伝えて美波理公園から出る。とりあえず人気の無い場所へ向かうことにした。問題が問題だし。互いの世間体考えたらこんな話、誰にも聞かせるわけにはいかない。何かと有名人な正義超人の立場が憎い。ジェイドは僕に着いてくる間、ずっと嬉しそうな顔だった。嗚呼、君の笑顔が眩しいよ。

僕が選んだのは僕個人が見つけた秘密の場所だ。森林公園の高台、見晴らしがよく町を一望できる。そんな素晴らしい場所だけど坂が異常にキツいんだよ。普通の人からしたら。だからなのかここには人気がない。ここなら誰も来ないし仮に誰かが近づいても静かだから音でわかる。

「ジェイド、昨日の事だけどっおおおっ!!!?」

意を決して昨日の話をしようとしたら、手を繋ぎながら背後から包容してきた。ガッシリと。因みに手の繋ぎは恋人繋ぎで。驚きの余り変な雄叫びをあげてしまった。

て言うかジェイド君!
何してんの!何してんの!

狼狽えまくる僕を他所にジェイドの包容は更に強まる。人間だったら全身複数骨折だねーこれはー。現に今の僕でさえミシミシいってるものー。この子は僕を殺す気かな?それに首にジェイドの熱い息が吹き掛けられ腰にね、ジェイドのJr.がね。ジェイドJr.が、

「、ジェ」
「俺、知ってます」

心音すら消えたと錯覚する静穏。

「知ってますよ。先輩が本気で俺を好きじゃないって事、それでも俺はいいんです。ああ、こんな気持ち初めてでどうすればいいかわかんないんです。師匠に相談しようと思ったけど、言いたくなかった。俺、おかしいですよね。でも俺ね、それでも先輩が好きで好きで好きで、好きだ。好きなんです。先輩、愛してる」

嵐のような激情が伝わる。

「だから先輩が俺の事が嫌でも俺、諦めませんから」

あ、これはアカン奴や。恐らく昨日の件、関係なく詰んでいたらしい。どこで間違えた?どこで?ダメだ。間違ったところが多すぎて僕には検討もつかない。僕の後輩がヤバい。病んでやがる。

僕は、僕は…


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