小説 | ナノ


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清香姫が死んで、小人達が悲しんでいると



「ヒィヒ〜ン…」



と、とても弱々しい馬の声が聞こえました。



小人達が振り向くと



「ほら馬、遅いぞ。」


「おれ一人二役……」


「馬なら喋るな。」



と、そんな会話をしていた馬と人がいました。



小人達が声をかけると、その人が振り返りました。



「……なんだ?」



その人は隣国の王子様でした。



王子様はガラスの箱に人が入っている事に気づきました。



「なにあれ。」


「おっ王子様!
あの娘は清香姫と言って……」



小人達は必死に女王様に殺された、と言いました。



王子様は受け流しながら話を聞いて、



本当に死んでいるのか、と清香姫の顔を見ました。



「ふーん‥」



と、王子様は考えました。



「よし、城に持っていかせてもらう。」


「「えぇ!?」」



小人達は驚き、何故かと聞きました。



「死人の顔には見えない。だが死んでいるのは間違いなさそうだ。

死因とか色々調べたいから城に持ち帰って解剖を……」


「「駄目ですよー!!!!!」」



小人達は必死に王子様に言いました。



面倒くさい、と王子様は思い、馬に命じました。


「向井。この箱から娘出して城に持っていくから」



向井は馬の名前でした。


王子様は適当に小人達を騙し、納得させました。


ガラスの箱から清香姫を取り出し、向井の背に乗せ、自分も乗りました。


「ぐぇ」



向井は頑張っていました。



「じゃあ、わかり次第連絡しますので。」



と、王子様は小人達の前からいなくなりました。


道中、向井は2人を乗せて走りました。



「向井、もう少し丁寧に走れよ。」


「むっ、り‥!!」



向井は必死でした。



背中では、清香姫はぐわんぐわんと揺れました。


「ぐぇっ!!」



ーポロ‥



と、清香姫の口から林檎の欠片が出て、

「けほっ、ごほっ……」


と、清香姫の息が吹き返りました。


「…あれ、ここどこ…?」



と、清香姫は言いました。



向井は止まり、王子様は清香姫を見ました。



「えっ!?あなた誰!?」


「…俺は冷泉、この馬は向井」


「あ、私は清香……」


「清香姫。」


「え、あ、ハイ。」



冷泉と言った王子様は、清香姫の肩を掴みました。



「え、何!?」



冷泉王子は首に手を置いたり、色々と清香姫を観察し始めました。



なんだかよくわからなくなった清香姫はなすがままにされていました。



「‥完璧に生き返ってる。」


「え、私死んでた!?」



清香姫の問いには答えず、冷泉王子は考えていました。



「よし、清香姫。」


「え、ハイ。」


「俺の城に来てもらおうか。」



と、冷泉王子は言いました。



「は!?なん……」


「確かに死んでいた。だがこうして生き返ったというのは気になる。俺の城に来て色々検査をさせてもらう。」


「え、ちょ……」


「よし向井進め」


「イエッサー!!」


「ちょ、人さらいー!!!!」



こうして、冷泉王子に拉致られ、城で色々検査を受けた清香姫ですが、



冷泉王子によって幸せになりました(?)



ちなみに、女王様は冷泉王子によって社会的に抹殺されましたとさ。



めでたしめでたし





(?)





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