▽ 魅力、あげます。
はぁ、とルウが溜め息をついた。
「良いなぁ、アスカ…」
「…は?」
例の如く今アスカはリオが守り人をしている世界にやって来ていた。
「アスカは凄く魅力があるから良いなぁ、って思って」
「おれは、ルウは十分可愛いと思うよ?」
「私は“綺麗に”なりたいの」
ルウはまたふう、と息を吐く。
「綺麗に…」
アスカはそう呟いて、じっとルウを見つめた。
「……………」
「……………」
「…お前らは一体何をしているんだ」
「あ、リオ」
ルウとアスカが見つめ合っていると、リオが部屋に入ってきた。
「…アスカ、ルウに見惚れるのは良いが手を出させるつもりは1ミリも無いからな」
実際、アスカはルウに見惚れていた訳でなく、見つめていたのだが。
「お前が怖くて髪の毛1本も触れられないわ!!」
「ちょっ、恥ずかしいからそういうのはやめてよ!!」
アスカのツッコミは今日も健在であった。
「ところでルウ、魅力を上げられると俺は色々困るんだが…」
「ちゃっかり聞いてたし!!」
「そうじゃなくて…、こう、色っぽさが欲しいの。大人の魅力、みたいな…」
魅力が欲しいことには変わらない。
「いや、だからそれが困るんだと言ってるんだ」
「…そうだ、ルウ。これ以上可愛くなったらリオに何されるかわからないぞ、って前もこんなこと言った気がする」
アスカはそう言って首をひねった。
ルウはまだ納得するつもりはないらしく、レスターに相談しようかな、と呟く。
それを聞いたアスカは咄嗟にその考えを叩き出そうとツッコむ。
「いやいやいや!!それ一番ダメだから!!確かに色っぽさはつくかもしれんけど!!」
「おいコラアスカ、お前はどっちの味方なんだ」
ちなみに論点はそこではない。
「リオは私が可愛くなったら嬉しい…?」
「それは当然だ。ルウは今のままでも可愛いが、俺の為に自分を磨いてくれるのは嬉しい。」
「さりげなくデレるな」
「じゃあどうして賛成してくれないの…?」
う…っ、とリオが言葉に詰まる。
自分は今のままでも十分満足しているし、これ以上魅力的になられるとアスカの言ったことは冗談ではなくなってしまう。
ルウを大切に思っているからこそ、別の意味で“魅力的”になるのは避けて欲しかった。
数分悩んだ末、結局リオが折れた。ルウにはとことん弱いのがリオなのである。
「…アスカ、何か良い案は、」
「よし、じゃあちょっと待っててよ。おれがルウに良いものあげる」
アスカは一度、自分の世界に帰っていった。
◆ ◆ ◆「お待たせ、ルウ!」
アスカは薄紫色の小ぶりな花の包まれた花束をルウに差し出した。
「わ…、これ…!」
「うつくし草だよ。これでルウは魔物でさえイチコロに、」
「そうかアスカお前は俺に喧嘩を売ってるんだな」
「全力で違います」
全く、とアスカは溜め息をついた。
「悪いけど、おれの方の世界で仕事ができたからもう戻るわ。じゃあルウ、あんまりリオを狼にさせてやるなよ」
アスカはリオに何か光るものを指で弾いて寄越し、天使の扉から帰っていった。
受け取った手を開いた中身を見たリオは、敵わないな、というふうに微笑んだ。
「…嬉しいか?ルウ」
「うん!でも、こんなにたくさん…なんかもったいないな」
「一日、くれたら…、俺がお前の望みを叶えてやる」
「…え?」
言うが早いか、リオはそのまま出て行き、夜まで帰って来なかった。
(嫌われちゃったのかな…)
そんなルウの心配は杞憂に終わり、次の日の朝、リオが投げて渡した小さな箱にはビーナスの涙が入っていた。
はい!
なんか微妙だったけど、大好きなづーに捧げる[リオルウアスカで対話]でした(*>ω<*)
学パロはなんかまとまらなかったの(T-T)
いやー、アスカ格好良い
…どこがって?
リオに弾いて寄越した光るものは理性のリングなんだぞ(・ω・´)
これは遠回しに「お前はもっと良いもの渡してやれよ」と言うイケメンなアスカさんを表現したのだ。どやっ
あ、もちろん返品可能!!
リクエストありがとうございました!!
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