いつかどこかで使えたらいいなあ
と思っている設定やセリフたち。



▼12/12/14(18:50)

「ろうそくの火は嫌いなんです。頭痛くなるから」
「でも綺麗でしょ。別に顔がよくなくても、みんな綺麗にしてくれる」
「…そうですね」

小さく灯る火。
えんじ色で辺りをほのかに照らす。
手をかざしてみた。
なるほど、確かに肌が綺麗に見える。
手の縁を淡い赤が染め、あたたかな温度を感じる。
▼12/12/08(00:46)

「フェルメールって知ってる?」
「名前だけは聞いたことあります」
「そっか」

突如尋ねられた質問は、同じように突如消えていった。
そこから何か話が発展するでもなく、彼は缶ビールを手にする。

ゆらゆら、ゆらゆら。

ビールを持った手が前後に揺れた。
手持ちぶさたに掴んだだけなのだろう、飲む気配はない。

「フェルメールって、確か画家でしたよね」

仕方なく、こちらから話題を振った。
初対面の人とはあまり話題がないものだが、会話が途切れるのには我慢ならない。

「うん」
「なんか学校で習った覚えがあります」
「うん」
「でもどんな絵を描いてるかは分かんないです」

そう言うと彼は、たぶん見れば分かるよ、とこちらを見た。

▼12/01/09(20:38)

「お黙りなあ」

一喝、彼女が叫んだ。
それは鞭のようにしなり、それでいて針のように鋭い。

「ひよっこが、ぐじぐじと言い訳するんじゃないよ。それならまだ、人殺して何も言わないあの人の方がましさね」

ああ。
花のような美貌に、雑草のようなしたたかさ。

綺麗だな。

こんなところを見せられたら、素直にそう思うしかない。
▼12/01/06(20:52)

「またね」よりは、「バイバイ」。
「バイバイ」よりは、「さようなら」。

その方がいい。
その方が、明日に続かないから。
明日が絶対にあるなんて、これほど不確かなことを約束するのは、無責任だ。

その日を大事にする。
やんわりと両手で包んで、赤ちゃんでも撫でるように慈しんで、そして眠る。
もし、次の朝日を見ることができたなら、それはたぶん、サンタがやってきた時のように跳び跳ねよう。
うん、それがいい。
▼11/12/13(22:30)

教師の、わざわざメモなんかまでとって準備をしてきた話なんかを聞いていると、足の方からぞわりとする。
ぞわぞわぞわぞわ、それは一瞬のうちに頭まで駆け抜け、やがて何事もなかったかのように体を抜けていく。

ああ、気持ち悪い。

思ってもないことをぺらぺらとしゃべり、努力だの礼儀だの、口に乗せりゃいいってわけじゃない。

彼らは覚えていないのだろうか。

遥か昔、でまかせに近い言葉に自分も反発していたことを。
大人になるために忘れなければならないのなら、わたしは書き付けておこう。
鳥肌の立つような人間に、ならないように。
▼11/12/12(23:08)

「先生?マスターじゃなくて?」
「はい。わたしは先生なんですよ」

彼はそう、笑った。
中身があるのかないのか、よく分からない笑顔だ。

「教師でもやってたわけ」
「いいえ」
「じゃあどうして」
「先生だからです」

意味が分からない。
だから私は聞くのをやめた。
けれど、答えを知りたい欲求は、まだ燻っている。

この人のことを知りたいと、強く思った。
▼11/11/22(22:43)

道化だ。
化粧をする女も、髪型を気にする男も、みんな道化である。
見ていてこれほどおもしろいものはない。
しかし、人が見れば私も道化であろうことは承知している。

学校という所はきっと、道化が集まりやすい場所であるのに違いない。
▼11/11/18(07:43)

この世界を好きか嫌いかでいったら、たぶん好き。
だけどそれは好きと嫌いのボーダー付近での話であって、ふとしたことで簡単にその線を飛び越えてしまうに違いない。
▼11/10/29(23:05)

歴史を振り返るというのはつまり、箱に入れられたどこかの町のミニチュアの模型を見ているようなものだ。
町をざっと見渡すことはできる。
大きな町だなあ、とか、お洒落だなあ、とか思うこともできる。
だが、細かい所を見落としやすい。
ひとつひとつの店や家を丁寧に見ることは至難の業だ。
何しろ、それらはあまりにも小さすぎるのだから。

たかがミニチュア人間一人がどんなに喚こうが、苦しもうが、悲しもうが、我々にとっては関係ないのである。
知り得ないのである。

つまりはそういうことなのだ。
▼11/10/29(08:06)

「別に恋をしたって死ぬわけじゃないし、失恋したって、そう。ただちょっと涙が出るくらいじゃない?なのに、なんでいちいちこんな苦しい思いしなきゃなんないの」

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