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香夜様リクエストで『甘いお菓子を召し上がれ の
祐輔と広大のお話 切なめ→甘甘希望』です。

頑張ります!
ではどうぞ♪

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「はじめまして!松方です、これからよろしく!」


教壇の前でにっこりと笑う年若い教師はイケメンで熱血漢。
産休に入った担任の替わりに入ってきた。

「今日の日直は〜、藤井か!藤井、いるか?」
「は、はいです!」

突然自分の名を大声で呼ばれ、慌てて立ち上がり教壇の前に向かおうとして広大は足をもつれさせてしまった。

だが、広大がこける直前、その小さな体を優しく抱き留めた人物がいた。

「ゆ、ゆう、ありがとです」


広大の言葉ににこりと微笑みを返すのは田上裕輔(たがみゆうすけ)。先ほどこけかけた藤井広大(ふじいこうだい)の保護者兼恋人だ。田上は元々平凡な大人しい生徒だったのだが、ある日食堂でお盆をひっくり返して泣いている広大を見つけてからどじな広大から目が離せなくなりせっせとお世話を焼くようになった。広大も広大で、優しく自分の事を何でもわかって助けてくれる裕輔にとても懐き後をちょこちょことついて回っていた。
仲良く連れ添う二人はやがて恋人同士になったのだが、元々甘かった二人の関係がさらに糖度が増しただけで、クラスの皆は裕輔に引っ付きまわる広大をカルガモのひなでも見守るかのようにほほえましげに見ていた。


「大丈夫か、藤井!お前はおっちょこちょいだな〜」

その様子を見ていた松方先生がしょうがない奴だな、とからからと笑う。広大は真っ赤になりながら裕輔に礼を言うと先生の元へと向かった。

「じゃあこれを皆に配ってくれ。」
「はいです!」

渡されたプリントの束を受け取ると、元気よく返事をして一枚一枚机に配り回る。

「あっ!」

日直として任された仕事を一生懸命こなそうと頑張る広大は、四人目の生徒の所に来て手元のプリントを一枚取ろうとして下の物も思い切り引いてしまった。途端、広大の持つプリントがばさりと宙を舞う。


ど、どうしよう!


焦り、飛び上がって掴もうとした広大よりも先にぱしりと、ひらひら宙を舞うプリントを掴んだ人物がいた。
言わずもがな、祐輔である。

「あ、ありがとです。」

…二回も助けてもらっちゃったです。ゆうはやっぱりかっこいいです。


祐輔の差し出すプリントを受け取りながら真っ赤になって俯き、小さな声で礼を言う広大に、いつものようににこりと祐輔が微笑み返す。



そんな甘い二人の様子を、二人の関係を知らない新しく来た松方は不思議そうに見ていた。

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