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しづか様リクエスト

『ふたりのキャラか新作ですれ違い→甘々』です。ふたりのキャラですれ違いがあまり思いつかなくて、新キャラにさせていただきました!…完成度としてはどうなのかと悩みますが…お気に召して頂ければ幸いです。


頑張ります!
ではどうぞ♪
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「なあ、俺ってお前にとって何かな…」
「は?今さら何言ってんだよ。そんなもん改めて言う必要もないだろ。それよりさ、こないだのゲームさ…」


至極めんどくさそうに顔をしかめてそう言い放つ俺の幼馴染は、そう言ったきりふい、と顔を背けてたわいのない話に切り替えた。


―――――――ああ、賭けに負けた。


俺は須藤鮎太(すどう あゆた)。男子校に通う高校一年生だ。特に特筆するほどの特徴があるわけでもない、至って平凡などこにでもいる普通の男。そんな俺が、一つだけ人様と違うところ。それは、幼馴染に同い年の男が。超のつくほどのイケメン、麻生悟(あそう さとる)がいる。そして、俺はそいつのことが好きだと言うことだ。

きっかけなんて覚えていない。悟はいつだって俺の側にいて、いつだってお互い一番の存在だった。気が付けば、隣にいるのが当たり前なそいつの存在が俺の中でさらに特別な位置にあがっただけで、だからといって何か変わるわけでもない。

だけど、小さなころから明るくて人気者で、常に人に囲まれている悟をずっと見ているうちに俺は自分に自信がなくなってネガティブな奴になってしまった。悟と自分を比べて、不釣り合いだと落ち込む日だって少なくない。
それでも、悟の幼馴染と言うだけで一番傍にいられる。それだけで、いい。そう考えていたのは、夏休みに入る前までの事だった。


高校になって初めての夏休み、麻生はいつものように俺の家に遊びに来ていた。

「あっちいな〜、クーラーつけろよ鮎太」
「つけてんじゃん。」
「設定温度28度なんて冷房だなんて認めない!」
「俺は普通だけど。お前が暑がりなだけだろ」

人んちに来て室内の温度が高すぎるだのなんだのとぎゃあぎゃあと騒ぎだし、しまいには温度を22度まで下げてリモコンを隠しやがった。俺は冷え性なので、あんまり温度が低いとすぐに凍えてしまう。冗談じゃねえぞ。

「ちょ、リモコン返せ!」
「やだよ、お前温度上げるもん」
「あったりまえだろ!冷やしすぎはよくないんだよ!寒いから早く温度上げろ!」

ぎゃあぎゃあと騒ぎ攻防していると、いつのまにやら俺は自分の体が反転して天井を仰いでいた。そして、目の前にいつもの通りにやにやと人を小ばかにしたように笑う悟の顔。


「人肌ってさ、あったまるらしいぜ?」


悟の言葉を理解したのは、そのきれいな顔が俺の首筋に埋まった時だった。

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