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なぎさ様リクエストの、『ヤクザとお巡りさん、医者と患者さん、どちらも受けにだけ溺愛な感じで…』です。
どちらのカプでもいいとのことでしたので、今回は医者と患者さんにさせていただきました〜!うう…、リク通りにお応えできた作品になっているかとても心配ですが…
※若干18禁要素が入ります。苦手な方はご遠慮ください。
頑張ります!
ではどうぞ♪
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「あー、のどいたい…」
がらがらする喉を押さえながらぼんやりと名前を呼ばれるのを待つ。
熱がでて3日放置していたら、学校でぶっ倒れて強制下校。途中で電話をしたら俺より先に職場の母に学校から電話があったらしく『そのまんまとっとと病院行ってこい!』と電話口で一喝された。鬼母だ。
仕方がないので駅を降りてすぐにあるこの病院に来たものの、
『明らかお前病人じゃねえだろ?』
なんてわかるきらっきらに化粧した若いギャルたちがきゃいきゃいとはしゃいでいる待合室にいるとこりゃ選択肢間違えたなあなどと熱でぼやける頭で考えたりするわけですよ。
ここは駅の近くにある病院で、小さいながら内科、外科、小児科と専門医が多い。医者の腕が一流、そして看護師も一流。しかも、勤めている医者と看護師が美形ぞろいともあればそりゃ流行りもするわけで。
どうでもいいけど、なんでこんなに香水ふるかね。ほら、周りのお年寄りが変な顔して鼻押さえてるよ。俺も押さえたい。しんどいときのキツい香水、つらい。
『赤川さ〜ん。赤川健吾(あかがわけんご)さ〜ん。』
「はーい…」
ようやく名を呼ばれ、ふらふらしながら診察室に入る。とにかくとっとと薬をもらって帰りたい。
「どうしました?」
がらりと開けたそこには、ここはホストクラブか何かですかと言うくらい白衣を着てキラッキラしたイケメンがおりました。
「赤川さん?」
「あ、あ〜…、すんません。えと、熱が下がんなくて…」
思わず見とれてたので名前を呼ばれて顔をのぞき込まれてびっくりした。はたと我に返り、ぼんやりしながら自分の症状を話すと先生はふんふんと頷きながらパソコンでカタカタと文字を打ち込んでいく。
さすかイケメン、その指もきれいだなあ、なんて思ってしまった。
「赤川健吾さん、17才…ね。熱が三日前から引かない、と…。せきは?」
「あ、ちょっとだけ…」
「じゃあ診てみますね。シャツをまくって下さい」
言われた通りにシャツを捲り上げると、先生が聴診器を胸に当ててきた。冷たさに一瞬体が竦む。その瞬間、なんだか先生が少し笑ったような気がしたけど気のせいかな。
「…っあ、」
大人しく聴診器を当てられていると、ふいに先生の持つ聴診器が乳首を掠めた。思わず変な声がでてしまって慌てて口をつぐむ。
そんな俺に気付いているのかいないのか、先生が何度も何度も聴診器で乳首を掠める。左右に軽くはじかれる度、焦れったいような快感が走っちゃって跳ねそうになる体を必死に抑えた。
てか、これ、わざとじゃねえの…?
「…っ、せん、せ、」
「はい、いいですよ。直して下さい。」
物申す、の前にすっと聴診器を離して涼しい顔をしてパソコンに向かう医者に何だか釈然としない思いを抱きながらシャツを下げる。
さっきの少しの刺激でよけいに熱が上がったみたい。なんだかぼうっとする。
「いけませんね。このまま入院してください。」
「は?」
「ですから、入院です。すぐに病室を手配しますのであちらの部屋で横になっていてください」
「いやいやいや」
いきなり入院とか言われても困る。なに言ってんのこの人、ただの風邪でしょ?
「…ただの風邪だ、とでも?」
パソコンに向かっていた先生が、銀のフレームのメガネを上げながらくるりと俺の方を向く。そしてぎしり、と椅子から立ち上がりぽかんとしている俺の前までやってきて、高い位置から俺を冷めた目で見下ろす。
「あなたは、今大変危険な状態なんですよ。ほら、…」
「ん…、うー!」
混乱したままの頭で目の前の先生を見上げていたら、ふいに影が落ちてきて視界が塞がれた。いや、塞がれたのは視界だけなんかじゃなく。
「んぅ、…む、うぅ――!」
口を、先生の口で塞がれたんだと気付いたのは、熱い舌が口内をまさぐり俺が酸欠でブラックアウトする直前だった。
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