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7

次の日の教室では、またいつものように裕輔について回る広大の姿が見られた。その様子に、クラスメイト達はほっと胸をなでおろす。

「なあ、藤井。もうやめてくれよ〜、こっちの身が持たないよ」
「そうだよ。藤井はやっぱり、田上とセットじゃないとな。」

いつもに戻った二人に、クラスメイトが笑いながら声をかけ、それに広大もにこにこと笑顔を返す。ああ、自分は裕輔と一緒にいてもいいのだ。皆は、認めてくれていたのだ。

「ごめんなさいです。ぼく、もうゆうから離れないですよ。ずっと、ずっと一緒に歩くです!」

ぺこり、と頭を下げて皆に謝罪する広大に、クラスの皆も笑顔になる。


「お〜い、席につけ〜。」


がらり、と教室の扉を開けて、出席簿を持った松方が現れた。皆ばたばたと自分の席に戻り、広大も裕輔もそれぞれ自分の席に戻る。


「藤井」

出席が取られ、ホームルームが終了した後に松方は広大に声をかけた。
一瞬、びくりと体を竦ませるが、広大は『はいです』といつものように返事をして立ち上がる。

「今日の日直はお前だったな。準備室に次の授業で使う教材を取りに来てくれるか。
…そうだな、一人で運ぶのに無理そうなら誰かに手伝ってもらえ。委員長の田上とかな」

そう言ってにこりと微笑む松方に、驚いたように目を見開いて一瞬裕輔の方を見てお互い顔を見合わせる。

「どうした?自分で頼むんだぞ?」
「は、はいです!えと、ゆう、一緒に手伝ってほしいです!」

一際元気よく返事をし、裕輔に向き直り頭を下げる広大と、柔和な笑みを浮かべて頷き立ち上がる裕輔の二人を見て、松方はその顔をほころばせた。



end
→あとがき

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