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※『愚か者にはお仕置きを』の池上の話です。


浮気美形×平凡内気

攻…池上佑(いけがみ たすく)
受…金丸慎(かねまる まき)
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「もうっ!祐!どうしてほかの子と遊んだりしたのっ?僕のことはきらいなのっ?」
「なわけねえだろ?好きだぜ。そんなに頬ふくらましちまって、かわいいなお前は」

ふ、と微笑みながら膨れっ面を撫でてやれば途端に顔を赤くして腕にからみつく俺の恋人。


ああ、いいな。その顔最高だぜ。


俺は池上祐。男子校に通う至って普通の…、いや、普通じゃないかな。なんせ俺はバイだから。


自慢じゃないが俺は自他共に認める超イケメン。背も高くてスタイルも抜群。ちょっとたれ目の目元にある泣きボクロが超セクシーってよく言われる。
中学の頃にはすでにモッテモテで、寄ってくる女は片っ端からものにした。二股三股は当たり前で、それでも修羅場とかめんどくさい事はごめんだからうまくバレないようにしてた。そんなある時、当時付き合っていた彼女に二股がバレてしまった。


『もうっ!あたしがいるのに、どうして他の女に手を出すのよ!信じらんない!』


その女は、ぷくりと膨れて口をとがらせてそう言ってぷいと横を向いた。その顔が、なんともいえず俺の優越感を満たした。

はは。嫉妬した顔ってたまんねえな。俺のことにそんなに必死なのかよ。
『そんなはずねえだろ?俺にはお前だけだって。な、嫉妬した?』

そう聞けば女は拗ねたように口をとがらせ、甘えて俺にしがみつき

『嫉妬した。もうやだ、私だけ見てよ。ね、私が一番?ほんとだよね?』

と、俺を見上げた。
このやり取りが何ともいえない満足感で俺の自尊心を強く満たした。



俺に好かれようと必死になっている。
俺をつなぎ止めようと必死になっている。



その時から、俺は付き合っている奴の嫉妬する姿を見るのがくせになって恋人ができると必ず浮気をするようになった。
浮気っつっても、寄ってくるやつらに甘い言葉を囁いたり物を受け取ったり、一緒に遊びに行ったりするくらいだけど。
ま、あまりに繰り返されるそれに別れを告げられたりすることもあったけど、すぐに次が見つかるから相手に不自由したこともない。

ひどい男だって?何言ってんの?俺みたいな極上の色男と恋人でいれるんだぜ?浮気はあくまで浮気。
嫉妬する顔が見たくて寄ってくる相手に気のあるそぶりをするだけだし、付き合ってる間はちゃんとそいつを恋人扱いして可愛がってやってるんだからそれくらいよくね?

腕にからみつく現恋人にキスをしながら、次はいつ嫉妬させてやろうかなーなんて考えてた。

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