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4

それからどうやって帰ったのかは覚えていない。山添君の笑顔が、頭から離れない。


…ああ、僕はバカだ。


ちょっと優しくされたからって、勘違いするところだった。
山添君は、ノンケで。僕を『いい奴で好きだ』だと言った。
それは、本当にそれだけの意味だったんだろう。


「…バカだ、ぼく…」



それでも、どこかでちょっとだけ期待した。ほんとは、僕の頑張りを認めてくれたんじゃないかって。彼も、僕を好きになってくれたんじゃないかって。


「…それでも…」


それでも、いい。
『気持ち悪い』から『いい奴』に格上げされたんだ。本当なら二度と口も聞いてもらえなかったはずだ。彼のくれた『好き』は、僕の望んだ『好き』ではなかったけれど。今のまま友達で居てくれるなら。



僕は泣きながら眠りについた。


次の日、山添君はまた朝に迎えに来てくれた。学校での生活も、いつもと変わらない。山添君は、僕と一緒にいてくれる。
それが、嬉しくて、申し訳なくて。
今だけ。学校に、いる間だけは、彼を僕にください。
僕は彼女に心の中で何度も謝った。

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