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5

それから一週間、ぼくは普通に学校生活を送っていた。

王子様、何年生なんだろ。学校にいたってことは、ここの生徒だよね。
あれから王子様に会ったことはない。

「またね、って、言ったのにな。」
「なにしてんの、早く行くよ。」
「ぎゃん!」


ぽてぽて俯いて歩いていた僕を良平が蹴飛ばす。ひどいや!お姫様じゃなくて、女王様だ!

今日は、良平と初めて学校の食堂に行こうって約束してるんだ。
学校の食堂って、レストランみたいなんだって!すごく楽しみ!



食堂に着くと、タッチパネルで料理を注文する。届けられた料理を食べてると、いきなりすごい悲鳴が上がった。



「し、白鳥様が食堂に!」「うわ、今日僕食堂に来てよかった!」
「すてき!まさかお姿を見られるなんて!」



そこら中できゃあきゃあと騒ぎ声があがる。
うるさいなあ、なにも聞こえないよ。
良平と二人、いそいそと食べ終えて食堂を出ようと決めた。


先を歩く良平に、小走りでついて行く。

「ちょっと、邪魔!」

きゃあきゃあ騒いでる集団の横を通り過ぎようとしたとき、横から来た人に、どんっ!と押された。


「わあっ!」
「哲平!」


気付いた良平が手を伸ばすより先に、ぼくをふわりと抱き抱える人がいた。
ぼく、この手知ってる。

「大丈夫かい?哲平」


前と同じ笑顔で、微笑む王子様がいた。

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