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2

俺が良平と初めて会ったのは、俺が18の時。良平は14だった。

引っ越した隣に挨拶に行ったのが、初対面。


「今日引っ越してきたんだ、よろしくね。」
「…どうも」
「おにいさん、よろしくです。わからないとこあったら言ってね。ぼくごあんないできるよ」



最初から無愛想だなあと思った。せっかくかわいい顔してるのに。
その時、良平の家に遊びに来ていて挨拶してくれたのが、良平の幼なじみの哲平くん。
彼はなんだかぽやんとしていて、とても幼く愛くるしかった。



それから会う度に挨拶はしてたんだけど、彼はニコリともしなかった。
哲平くんは、いつもニコニコ、俺にとても懐いてくれた。



「なぁに?雅隆、すごく機嫌悪いじゃない。」
「ああ?うっせえな、てめえにゃ関係ねえよ。失せろブスが」



腕にからみついてくる女を跳ね飛ばす。
ここは、とあるバー。俺たちのチーム、『シーザー』のたまり場だ。
普段ネコを被っているが、俺はシーザーの総長だ。

「シーザーの総長はキレたらヤバい」
「相手が気を失っても手を止めない」



『狂犬』



それが、俺につけられたあだ名。
そんな狂犬が、四つも下のガキに舐められてるなんてな。


「良平のやつ、なんで俺には笑わないんだ」


良平は、哲平にはよく笑いかける。だが、俺は自分に向けて笑いかけてもらったことがない。
ご近所だし、年下だから優しくしてやってるのに。



俺は、良平の態度を思い出していらいらしていた。

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