小ネタで言っていたけ○おん!パロで帝人♀受け話です。リクエストを頂いたので書きます!設定もろもろはこちらを参照してください。











今日最後の授業も終わり、各々の生徒が放課後を迎えるこの時間。
一人の女子生徒が背中に大きな荷物を背負い、廊下を駆け抜ける。
その晴れやかな表情を目にした生徒達は微笑ましいものを見るように風の如く走り抜ける少女を見守る。
“ああ、今日も軽音部の練習が始まるのか”“もうすぐ文化祭だもんねー”など、所々から 聞こえてくるその呟きに、少女は心を弾ませ、更に足を加速させる。
そして勢いよく階段を駆け上がり、見えてきた部室の扉を開け放つ。

「みんなー!練習するよ!」

快活な声音で少女がそう告げると、先に着いていた部員達がにっこり微笑んで頷く。
それに少女も満面の笑みを浮かべ、背中に背負っていた大きな荷物を下ろす。
その荷物を開くと、中から真新しい青色のギターが出てきた。
それを肩からかけて少しばかりチューニングしてから、少女は部員達を見回して一言叫ぶ。

「さぁ、始めよっか。」



今日も我が校一の人気を誇る軽音部の練習が始まった。






―――――――――――





「はぁ〜、一回休憩しよー…。」

「もう一時間はぶっ通しだしね。じゃあ、私お茶入れるよ。」

「ありがとう!沙樹ちゃん!」


「いえいえー。今日はねぇ、駅前の新しく出来たケーキ屋さんのロールケーキだよ。」

「本当!?僕あれ食べてみたかったんだぁ!」

キーボード担当の沙樹がティータイムを促すと、真っ先にギター&ボーカル担当の帝人が食いついた。
真っ先にテーブルに着いた帝人を微笑ましく見送りながら残りのメンバーも各々の席に座っていく。

「竜ヶ峰さん、文化祭の曲のことなんですけど、」

「ん?どうしたの、園原さん?」

「新曲の方の歌詞は、私が書きましょうか?」

「んー、僕も今書いてる途中なんだけどなかなかまとまらなくてさぁ。でも園原さんの書く歌詞も好きだから採用したいし、」

「じゃあ2曲歌えばいいんじゃない?」

杏里と帝人の会話に割り込むように美香が提案する。

「ああ、それもいいね!」

「じゃあそうしましょうか。」

美香は2人ににっこり微笑んで頷くと、曲目を紙に書き始めた。

「お茶入ったよー。」

「あ、ありがとう!」

淹れたての温かい紅茶と共に美味しそうなロールケーキが並ぶ。
甘い香りに帝人が表情を緩めると、隣に座っていた茜がそれを見て笑った。

「帝人お姉ちゃん、緩みすぎだよー。」

「あ、茜ちゃん!見てたの!?恥ずかしいんだけど…っ」

「帝人お姉ちゃんは、練習よりお菓子の方が楽しみなんだよねー。」

「ちっ、違うよ!練習も大事だよ!」

帝人の慌てっぷりに周りは優しく微笑む。

その軽音部の様子を扉越しに盗み聞きをする2つの人影。

「あー、今日も可愛いなー。帝人ちゃん。」

「当たり前じゃないっすか。小さい頃からの俺の天使ですよ、帝人は。」

「ケーキなら俺がいくらでも買ってあげるのにー。」

「帝人を食べ物で釣ろうとしないでくださいよ、臨也さん…。本当気持ち悪ィ。」

「俺と同じ体制で扉に張り付いている君にだけは言われたくないんだけど。帝人ちゃんに言われるなら許すけど。」

「いい加減帝人のストーカーやめたらどうっすか。」

「やだなー、俺は帝人ちゃんのストーカーじゃないよ。将来を約束した仲なんだ。」

「はいはい、夢夢。」

「夢じゃないよ!俺帝人ちゃんとなら幸せな家庭を築けると思うんだ!」

「アンタの願望かよ!」

そんなやり取りをしていた二人だったが、突然開かれた扉によりそれは遮られる。
それに間の抜けた声をあげて2人は前方に倒れ込むと、その前に一つの人影が立ちはだかる。

「また、盗み聞きしてたんですか?」

「帝人っ!」

「帝人ちゃん!」

「言っておきますけど2人の分のケーキはないですからね!」

「え、そこ?突っ込むとこそこなのか!?帝人!」

「正臣、うるさーい。」

「てか、帝人ちゃん!俺は!?俺には!?」

「はいはい、臨也さんもうるさいんで黙ってください。てか帰ってください。」

「冷たいっ!何で俺にはデレてくんないの!?」

「もー、正臣ー。うるさいの連れてこないでよ。ただでさえ正臣だけでもうるさいってゆーのに。」

「不可抗力だ、帝人。つーか相変わらずひでぇっ!」

「俺に対しての方が風当たりが酷いのは何故だろう…」

「はいはいはい、これからまた練習始めるんだから邪魔しないでくださいねー。」

「「…はーい」」









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