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爽神会のトップってことは、きっと学校でも地域でも結構有名な人なんだろう。安藤先輩。

私は友達もいないから、全く知らなかった。


念のため、インターネットで検索してみる。




       爽神会 安藤




「…なにやってんだろ、私」




でも、結構な件数がヒットして驚いた。

ほとんどがブログばかりだったけれど。



どうやら安藤先輩がトップになったのは2年前。先輩が1年生のときだそうだ。

爽神会のトップには、高校3年生がなるという決まりがあるが、安藤先輩はどの3年生よりも (私には何がかはわからないけど、何かが) 最強で、いわゆる飛び級のような形でトップに任命されたらしい。

(出典:うちの高校の生徒のブログ)



なんだかすごい人なんだということだけは、わかった。

そしてやっぱり私の手には負えない人なんだろうなということも、わかった。



でも、どうしてももう一度会いたい。

遠くからチラリと見つめるだけでもいい。

自分の気持ちにケリを着けるために、もう一度だけ顔が見たいのだ。



あの一瞬の出会いは、それほどまでに私の気持ちを強く熱くしていた。






どうすれば安藤先輩に会えるんだろう、と考える。

3年の教室に向かうなんて自殺行為は絶対に出来ない。

あの赤髪の先輩が言うには、私はそうとう有名になっているらしいから。…二階堂先輩にも会いたくないし。



下手に動きまわらずに、安藤先輩に会えそうな方法。

誰にも見つからずに、こっそり安藤先輩を見ることが出来そうな方法。



…そっか。屋上。



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