01



×××






高校を卒業して、俺も清香も地元の大学に進学した。俺は工業大学、清香は共学の私大。

大学は目と鼻の先にあるから、いつでも好きな時に会えていた。




「きよかー」

『はぁい?』

「今日家来い」

『え!?』

「じゃあ5限終わったらそっち迎えに行くから」

『ちょ、と待って!』




ピ。


携帯の電源ボタンを押して電話を切る。

よし。放課後の予定取りつけ完了。




「里垣ー。今日メシ食って帰ろうぜ」

「無理」

「はぁ!?無理!?」

「彼女と会うから」

「あー、ダメダメ。こいつ彼女絡むと聞く耳持たないから」




後ろで、間抜けな声が聞こえる。

遠藤だ。



こいつはなぜなのか知らないが、俺と同じ大学に入学してきた。学部も学科も全く同じ。

俺についてくんなと言うと、「由和が俺に合わせてきたんだろ」ととぼけたことをぬかしやがった。



仕方がないから、新しい仲間が出来た今もつるんでいるけど。

もう小学校時代からの腐れ縁。いい加減鬱陶しい。




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