└いち


-銀時Side-

「あーめんどくさい、そして寒い!もうどうして俺がこんなとこまで来なきゃいけないんだよコノヤロー!」

だいたいこんな雪山まで銀さん無一文で歩いてもうヘトヘトだよ。糖分が足りない、誰かパフェ奢ってくれねぇかなぁ!
とブツブツ文句?を言いながら銀時は江戸から少し離れたところにある雪山に向かう最中であった。

どうして銀時が1人でこんなところに向かっているかというと、話しは少し前にさかのぼる。

◇ ◇ ◇

「え、化け物退治?」

季節はもう冬に近付いてきてイチゴ牛乳アイスじゃなくてホットだなと銀時が思っていたとき、万事屋にある依頼の話が舞い込んできた。

「はい。実は私どもの住む村の隣にある雪山にある恐ろしい化け物が住み着いておりまして、それを万事屋さんに退治してもらおうと…」

「そんなの真選組に言えよ。こちとら得体の知れない化け物退治なんて「ちょっと待って下さい銀さん!」

銀時が断ろうとすると新八がそれを制す。

「銀さん、思い出して下さいよ!昨日お登勢さんから家賃滞納し過ぎって怒られたとこでしょう!どんな仕事でも選んでる余裕なんて僕らにはありませんよ!銀さんがやるべきです!」

「でも化けも「私家無くなって野宿なんて嫌アルヨ!銀ちゃんがやるヨロシ!」

新八に続いて神楽も依頼を受ける方に同意する。

「分かった分かった!…仮にやるとしてな?なんで俺、が?」

「…銀さん忘れたんですか?昨日二件依頼がきて神楽ちゃんが猫探し、僕はお登勢さんの店の買い出しの手伝いで少し遠くまで行くって」

「あーそれで確か俺は一人パチンコ行く予定があったんだ、そうだよ!ほらみんな予定あるしさ、化け物退治なんて―」

「依頼料にこれくらい出そうと思うのですが…」

「―その依頼受けます!さぁ詳しく話してください!」

銀時は一枚の小切手に書かれたゼロの数を見た瞬間手の平を返したかのように依頼を了承した。

「…銀さん」
「やっぱり大人は汚いアルナ」

うるせぇよてめぇら!と銀時は二人を怒りつつも顔のにやけさは取れていなかった。








「……こういうの自業自得か」

銀時は遠い目で数時間前の自分を呪った。