そして家に帰り、リビングの電気を付けたら知らない男の子がソファに座っていました。









………あっその誘拐とかじゃないの。一瞬家間違えたかしら、なんて思ったけどどう見ても私の家。
となるとこの男の子がおかしい。見た目は可愛らしいが瞳が赤いので明らか日本人ではないの。迷子?……いやいや流石に家の中で迷子なんて無いわよね。




「…誰だテメェ」

全面撤回。憎たらしい男の子だった。





「それはこっちの台詞なんだけど…えっとどうして家にいるの?」

考えたくはなかったがもしかして新手の空き巣?

「知るか。おい女、俺を誘拐したのか?」

「するわけないでしょ。私は逆に君がいることがとても不思議なのよ」

「俺はさっきまでベッドで寝てたんだ。それがいきなりソファの上だ。…まぁお前は見るからに力はなさそうだが」


所詮私は体育は5段階評価で2止まりだ。体力勝負は悲しいが確実に負ける自信があるわ。






「…家の場所分かる?それか電話番号とか。送ってあげるわ」

今時間は…22時過ぎ。
こんな小さな子供を一人で帰らすわけにはいかない。
「イタリアだ」

「え?」

「俺はさっきまでイタリアにいた」


えっイタリアってパスタとかが美味しい国よね。それかイタリアっていうお店の名前とかかしら?

もう言ってる言葉が頭で理解出来なかった。



- ナノ -