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「…―空が青いな」
平日の昼間。学校の屋上のフェンスに腰掛け空を眺めていた。
所謂サボりだ。前の世界だと有り得ないことだが如何せん、一応私は成人済みだ。さすがにもう中学の勉強なんてしたくない。クラス委員なのにって?気にしない。
(ただ居場所がないだけなんだけど)
知らないクラスメート。あるはずのない私の机と椅子。あんなとこ長くは居たくない。
チラッと横を見ると煙草を加えた獄寺隼人が来た。
「おはよう」
「…………チッ、はよ」
呟いたように言ってみるとイライラしつつも答えてくれた。
私が屋上に行くといつも居る。特に話すわけではないがお互い良い感じの距離を保ちつつサボっている。
たまの話しにも嫌々ながら少し話してくれる。
「よし、行くか」
ぼーとしていると4時間目の終わりのチャイムが鳴り、私は屋上の階段を下りていった。