14.報告会


「で!で!それで!?どうなったの!?」


ユッキーが前のめりになって聞いてくる。
寮の自室でいつも通りユッキーと夕飯を食べたが、俺はとうとう我慢できなくなって生徒会での出来事をユッキーに話したのだ。


「以上デス」

「え!?以上って……。キスされたんだよね?そこから何も無かった訳!?」

「うん、まぁ。仕事をしなきゃならなかったし、そのままお互い仕事に集中した」

「じれったすぎ。副会長、キスするくらいなんだから、りんりんの事好きに決まってるじゃん!」

「そうとは限らないだろ、キスできるかどうか試したかっただけかもしれないし」


俺だって、キスするくらいならもしかして両想いなんじゃないかと思ったけど、もしそれでフラれたらダメージでかすぎるし……。
自分のために予防線は張っておきたい。


「でも、今日の帰り副会長と一緒に帰ってきたよね?しかも玄関の前まできてたよね……だから俺は食堂のすったもんだで、くっついたのかと思ったんだけど」


そうなのだ、今日の葉月はいつもと違っていた。
いつも以上に俺を気にかけてくれ、帰りは何故か玄関まできて見送ってくれた。

まるで付き合ってるみたいに……。

これで浮かれるなっていう方が無理な話だ。
何を考えて葉月がそのような行動をとっているかは分からないが、体育祭までには答えを出してくれると言っていたので、それまでは仕事に集中して頑張るしかない。


「とりあえずは生徒が楽しみにしている体育祭を成功させる!」

「りんりんって結局真面目で、生徒会長には向いてると思うよ」


ユッキーは呆れたように笑いながら、がんばれ、と俺を応援してくれたのだった。


「あ、そうだ。転入生、りんりんの事狙ってるかもよ。今日クラスで初めて俺に近寄ってきて、俺が親衛隊隊長ってことにつっかかってきた」

「はぁ?だってあいつどう見ても葉月にベタ惚れだったよな、どういう風の吹き回しだよ」


あいつの真っ直ぐな気持ちだけは尊敬してたのに。
次は俺って……。
守備範囲広いというか適当に選んでるというか。


「なんか企みそうな性格だし、気をつけてよ」

「気をつけるって言ってもなぁ。警戒はしておくよ」



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