刀剣乱舞 | ナノ

ジブリ大好きな本丸


「な、ナウシカァーーーー! オレはお前の勇士を忘れないぜ!」
「ちょっと獅子王ハウス。テレビの前で立たないの、おじいちゃんがテレビ見えなくなっちゃうでしょ」

興奮してテレビをがくがく揺する獅子王の足を掴んで引き摺り倒す。そのまま地引き網の要領でズルズル引き寄せると、テレビが見えた三日月がぱあと顔を明るめた。

「す、すまんなあみわ。俺がものを言えぬゆえに…お前には迷惑をかける」
「別にいいよー、気にしてないから」
「う、うう…。俺も、俺もほかの三日月宗近のようにできたら良いのだが…」
「またそんなこと言ってんのかじっちゃん! ダメだぞ、ナウシカみてぇに互いの違いを許し愛し、受け入れられるようになんなきゃな!」
「おお、偶には良いこというねえ獅子王。褒めてつかわす」

どうにも言葉尻が弱いうちの三日月に、獅子王がどんと胸を張って言う。向こう見ずでちょっとおバカだが、考え過ぎな三日月にはこの位が良いだろう。ふわふわネコっ毛の獅子王の頭をなでこなでこしていると、三日月がおっとりと笑った。



「いや、やっぱユパさまだろ。かっこよすぎるぜ、俺もこんな親父になりてえ」
「歳だけいえば、鶴さんのほうがえらい年上だで?」
「よしてくれみわ。俺なんてユパさまに比べたらまだまだひよっこも良い所だ。どれ…ちょっくら千さんのところに行って、自分を鍛え直してくるとするか」

よっこらと立ちあがって日差しをあびる鶴丸は完全に自分の世界に浸っている人だ。ナウシカ鑑賞会後、三日月と獅子王が短刀を交えて可愛い余韻にひたっているというのにこのダメな大人、どうしてくれよう。

「っていうか、千さんってあの鶴さんが誘拐してきた鶴? はやく野性に返してよ、わたし共犯で警察に捕まりたくない」
「なにをいうみわ! 千さんは我が本丸のマスコット的存在だろ…! 追い出すなんて言語道断! やりたければ、俺を倒してからいくんだな!!」
「お、大将ちょうど良い所に。大将が骨折りしていた国永じいさんの鶴、俺っちと長谷部の旦那でちくっと逃がしてきたぜ」

「うわああああ千さあああああああん!!」

「ぐっじょぶ薬研あんど長谷部。良い子のふたりにおばちゃんのおまんじゅうあげちゃう」
「お、みそまん。ありがたくいただくぜ」
「この位のことで褒美を頂くわけにはもぐふ」
「いいからくえ」

ごたごた五月蠅い長谷部の口にみそまんを突っ込んで一息。
隣には一仕事終えた薬研がどかりと座った。

「はい、お茶」
「おう」
「つぎはアリエッティでも見るか。薬研はなんだろうなあ…蛍の墓とか好きそう。っていうか滾り過ぎて泣きだしそう」
「そんな危険なモンがあるのか…政府に請って禁足令を発して貰った方がいいんじゃねえか?」
「ジブリにそんなことしたら日本人発狂するぞ。もういいから茶飲んどけ、背のびないぞ」
「一言余計だぞ、大将」
「いて」

容赦なく腹の肉を摘ままれた。薬研、恐い子。

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