刀剣乱舞 | ナノ

転生しても三日月宗近(α)は審神者(Ω)を諦めない


「むりむりむりむり」
「なにが不満だ、申せ」
「その顔がっ むりっ!」

近づいてくるご尊顔を押し退けるべく両手を張るが、軽く片手で絡め捕られた。

「ヒィやだあ暴力反対っ」
「俺の会社は全うだぞ」
「それが逆にこわい」

ぴえんと泣いてしまうわたしは一般人。
元審神者ということを除けば、本当にごくごく普通の女子大生だ。

対する彼は、知らない人のいない大企業の代表取締役。
元が刀剣男士であるということも含めて、精神肉体共に高貴な生まれの方だ。

だがおかし。この元刀、どういう訳がとち狂ってわたしのことが好きだと抜かす。
前世からずっとだ、それはもう病気なのでは。一種の精神病に違いない、とインターネットで調べた有名な病院を紹介した。100%善意しかないのに、柳眉をぐうと寄せたと思ったら思い切り目の前に真っ二つに破かれた。ひどい男だ。

「というか年の差がありすぎるでしょ、12歳とか一回り違うもん。世間的にはロリコンだよ」
「前世の年齢を重ねれば大差ない」
「いやもっと開く。自分が千年前の刀だって忘れたの?認知症なのおじいちゃん?」
「お前は…本当に俺を煽るのが上手いなァ」
「ヒッ」

がっと首をつかまれた。がっと。
前世の…主従契約があった時とは違う、転生して今はただの人間同士。霊的契約が介在しないから、こういった扱いも問題…いや、問題だ。婦女子への暴行!

「うぐっ… うっ うえぇん せめて、せめて」
「泣くな」
「せめて、その顔が半分でもいいから人間らしかったら」
「それでは意味がない。俺は前と同じ、…あの時のまま俺を愛してほしい」
「むり」

いや、ほんとむり。ごめん、むり。
例え彼の家(テリトリー)で押し倒されても、手首を拘束されていても。できないことをできるとは言えない、こんな人類ヒエラルキーの頂点に君臨している顔面と恋愛なんてできない。畏れ多くて直視するのも儘ならない。

「お前は、本当に嘘が付けないやつよな みわ」

三日月の声が酷く落ち着いていた。彼の指がそうとわたしのうなじを撫でる。
その熱に背筋が粟立った。それはイヤだ、本能が叫ぶ。それはイヤだ、理性が拒む。その場所は今世のわたしにとって致命であった。全身を襲う恐怖に耐えられず悲鳴をあげようとした、だが三日月の方が早い。彼の手が、指が、わたしの頭を乱暴に引き寄せて噛みついた________がぶり。




「俺はアルファで、お前はオメガ… まるで天の采配のようだとは思わんか」
「ゥ アっ」
「どうした噛んでないぞ、未だな」

ワザとらしく語尾を強調して、教えてくれる。
しかし、わたしにその言葉を正しく咀嚼する余裕はなかった。そんなわたしを追い詰めるように、三日月が噛み千切った貞操帯を落とす。こつんと情けないほど小さな音が、自分が追いやられた窮地を自覚させるようだった。

嗚呼心臓がうるさい、全身から汗が噴き出して、呼吸が儘ならない。皮膚がびりびりして、身体が全身で警戒音を奏でているのが解る。じくりとうなじに残る、三日月の余韻が怖い。思い切りうなじに噛みつかれた感触。噛まれたと錯覚するには十分すぎる衝撃。

皮を噛み千切ったときに金属の金具に擦れたのか、三日月の唇に血が滲んだ。
それを舌先で血を舐めとる彼の瞳、藍色の夜に浮かぶ逆の狂月。あの時と一分も変わらない容姿の男、…采配があるというのなら、それはまさしく“生前”の彼の采配。神の末席に連なる最上の付喪神、これは彼が描いた世界の延長線上だ。

「まずは心を懐柔せねばな。 ここを噛んで…肉体も性も、すべてを俺のものとするのはその後だ」

厚い舌が、うなじを味わう。マーキングするように、はしたなく涎を垂らして。
まるで狼の戯れといように、三日月宗近はわたしの項を弄んだ。_____少しでも力を込めればその瞬間、わたしは彼に従属させられてしまう。貞操帯のないうなじに、我が物顔で雄の舌が這っている。それはオメガにとって耐え難い屈辱だ。

アルファとオメガにのみ許されたツガイという契約。
かつてわたしと彼が結んでいた霊的なものはない、もっと本能的な獣の契約だ。それはわたしが覚えている三日月宗近という存在から、最もかけ離れたものように思えた

「     ハァ、」

三日月の吐息がうなじにかかる、その熱さえに体が震えた。
吐息に混じるアルファの毒に侵されて、頭から足の先まで痺れるような気がした。涙で歪む視界では、もうなにもわからない。部屋中を満たすフェロモンに思考を溶かされながら、舌でうなじを嬲られる感覚。何度も…好き勝手に舐めて、甘噛みされて。その度に生存本能が悲鳴をあげる、それなのに抑え付けられて逃げることもできない。それなのにしっかりと、わたしは“できあがった”。

その様子を見て、三日月が低い声で満足そうに笑うのが聞こえた。
噎せ返る“におい”に陶酔しそう、その声にずくんと子宮が疼いたような気がした。

つうーと三日月の指先がうなじをなぞる、その感覚さえ堪らなく“悦い”。
焚き付けられたオメガの本能が体の内を暴れ回った。じゅんと、恥ずかしいところが濡れるのが解る。気持ちとは裏腹に、目の前のアルファを、受け入れる、準備をしている。それが解っているのだろう、三日月は円を描くようにうなじをなぞると、そのまま背を伝い下着のホックを外す。

「苦しいだろう、外してやろうな」

そのままスカートのジッパーまで下ろされる。
そうなっても抵抗することさえできない、従順にされるがままとなっているわたしはさぞ滑稽なことだろう。ぴたりと手のひらが背に触れた。酷くあつい、まるで焼き鏝でも押し付けられているようだった。離してほしいのに、頭の奥でもっとと叫んでいるわたしがいる。吸い付いて、離れたくない。もっともっと奥まで触ってほしい!





「愛いなあ、みわ」

美酒に溶かされた麗人が囁く。
その声音の美しさとは似る辺もなく、行われているのは肉欲に塗れていた。

「流石にどうにかなってしまいそうだ」

捏ねられ過ぎて真っ赤に腫れた乳首を舐めながら、ぐずぐずに融けた秘部へと押し付けられる陰茎。
どうしようもなく火照ったわたしの体以上に熱い熱、それが擦り付けられる度に体が震えた。互いに下着は着けたまま繰り返されるそれはマスターベーションのようだった。下着に押し込められた三日月の陰茎が酷く苦しそうに見えた。先走りで濡れる亀頭が秘豆が擦ると痺れるほど気持ちいい。

もっと気持ちよくなりたくて伸びる足は、三日月の手に絡め捕られて丸められてしまう。なんだっけ、あ、伸ばすとダメって。良くわかないけどそうすると俺で気持ちよくなれないから、って、言ってた。気がする、もうよく覚えてない。ただそれをされると上手く気持ちよくなれないからイヤ。

そう言いたいけど、口が塞がっているからいえない。猿轡代わりにわたしの口を塞ぐネクタイは、きっと高級品だったろうに。いまはもうわたしの涎塗れで使い物にならない。くぐもった声が漏れるたびに、三日月はひどく満足そうに目を眇める。そうして乳首を指でいじめながら、イタズラに腰を振って秘部を擦り合わせるの繰り返し。

三日月に吸われて、弄られて、胸の頂はすっかり赤くなってしまっているし。なんなら下着越しに秘部を擦り合わせだけで何度もイってる。わたしの下着は見る影もなく濡れて、膨れた秘豆にもぴったり張り付いているのが解る。それに三日月が興奮して、わざと陰茎を擦り付けているのも、知っている。だって気持ちい、そうされると子宮がきゅんきゅんして頭の中が真っ白になる。

(ある、ふぁ  みかづきのにおい、が)

____真っ白な頭の中で唯一判る、アルファの匂い。
三日月の匂いだ、これから“わたしを孕ませる雄の匂い”。この匂いに埋もれてしまいたい。そうしたらきっと、もっともっと、

「悦くしてやる」

三日月が、誘惑(い)う。
懐柔など生ぬるい、これは“調教”だ。

「お前がここを許せば、もっと深く愛してやれるんだが」

忌々しそうにわたしのうなじを守る貞操帯を爪で引っ掻く。
壊れた貞操帯を装着されたのは三日月の癖に、今度はわたしが外せという。なんて我儘なんだろう。オメガが発情しているアルファの前で貞操帯を外す意味を、知らないわけでもないだろう。それはこの雄に服従すると、言っているようなもの。アルファである三日月がそれを受け入れて、本気で噛みつけば、わたしたちは恋人(ツガイ)となってしまう。それはわたしが最も忌避している関係に他ならない。だけ、ど、

「ン グッ ン… ンっ ツ ! 」
「上手にイけるようになったな、もっと気持ちよくなって何もかもわからなくなってしまおう」

イったことを知りながら、擦りつける腰を止めない。
終わらないきもちいいに、目の前がチカチカした。今ではもう丸められた足の先まで、ちゃんと気持ちいい。ぴんとしないから、突き抜ける気持ちいがお腹のあたりでぐるぐるしてる。直接子宮を揺さぶられているみたい。それに気づいているのか三日月が、掌でお腹を摩った。腰の動きに合わせてぐっぐっとお腹を、子宮を揺らす。まるで本当にセックスしているみたいな感覚に、眩暈が、する。それが3度もつづけばもうダメだった。

「ああ、よくとろけた」

三日月がわたしの足を大きく開いた、太もももの内側の皮膚を両手でくいと引っ張る。
そうすると秘部がぱっくりと口を開いた。きっと下着なんて意味がない。三日月の目には、はしたなく濡れそぼったそこが良く見えていることだろう。

「これなら…後は膣を解せば、俺を受け入れられる。こちらの準備もできた頃合いだ」
「ン ん 」

三日月が掌で少し乱暴に子宮を揺さぶる。
何度も繰り返し与えられた快感が蓄積して、そこが酷く重く感じた。だからだろうか、そうされるだけで気持ちいい。すっかり柔らかくなった子宮口から、どろりと愛液が零れるのがわかる。わたしの体は、もう雌の、身体、…になっていた。

「後はお前の口から契りをきくのみ」

口元のネクタイが解かれる、擦れて赤くなったところを三日月の舌が舐めた。
そのままゆっくりと唇が重なる。薄い口がわたしの唇に触れて、離れて。深く重なれば、当然のようにぬるりと舌が入ってきた。三日月の熱い舌がわたしの口の中を探る、舌先がわたしの舌を絡めて、擦りあって。2人分の唾液をこくんこくんと呑み込む度に、三日月が秘部に陰茎を擦りつけてきた。

「ハァ 舌を出せ」
「ん ぁ 」
「そうだみわ、上手だなあ」

控えめに口の外に出した舌に、三日月が噛みつく。
噛みついて引きずり出して、じゅうと吸われた。奇妙な感覚だった、だけどきっと“三日月がしてくれるのだから気持ちいこと”と頭が解釈する。言われるがままに舌を出して、三日月に乳首を弄られて興奮しているわたしは、変態、なのだろうか。それとも、全部オメガの本能…?

「みわ、さあ早く」

三日月が子宮を撫でる。

「もっと悦くなろう、俺の熱をここに穿たせてくれ。お前のここを」

喉を食む。

「俺に寄越せ」







振るえて言うことを利かない身体を、三日月が起こしてくれた。
何度もイった倦怠感と疲労はすさまじかった。それでも僅かに残る理性が制止を訴えている。それを振り払うのは三日月の声で。「ほら」「ここだ」「指を」「そうだ」「上手だなあ」…脳がアルファに褒められた多幸感でいっぱいになる。言われるがままに、わたしは首の貞操帯を自分で解いた。

「みわ」
「 ァ、」
「みわ、ほら言うんだ。解るだろう、お前がいま欲しているものだ」
「み、かづ 」

「俺がすべて、惜しみなく与えてやる」

_____ジャア、もういいか。

「 かん で、 くら さ い 」

もっとキモチイのが欲しい。
三日月が深く笑う、しかしして檻から獣が解き放たれた。

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