忘却の彼方 | ナノ


新学期から一騒動




夏休み、冬休み同様ほとんど学校で過ごした春休みも終わり、新学期になった。
あたしも中学2年生になる。ちなみにクラスは去年と同じくC組。
京子には同じクラスに慣れなくて残念がられたけれど、平和に過ごすならツナたちとクラスは別の方がいい。どうせ巻き込まれるんだから。


「あげは」

『ああ、これかー…』


ヒバリから渡されたのは今年の新入生の名簿と写真。
去年もこうして全校生徒覚えたんだっけなー…。もうすぐヒバリと出会って一年経つのか。早いもんだ。


「それが終わったら校内を見回りに行くよ」

『あたしも?』

「当然だよ」


だから早くそれ、済ませちゃってよ。
ヒバリはそう言ってあたしの座っている向かい側のソファに寝転がると、欠伸を一つして眠り始めてしまった。
くそう、あたしだって寝たいのに…!


***


「群れるな」

「ぎゃあ!」

『………』


ヒバリに言われたとおり、あたしは今ヒバリの見回りに付いて行っている。そしてたった今ヒバリに気付かず、廊下で騒いでいた生徒がトンファーの犠牲になられました。
ただでさえあたしたちの周りには人が寄り付かないのに、ヒバリが咬み殺した奴を引きずるもんだから余計に人が遠ざかっていった。
新学期早々物騒すぎる。


「チャオっす」


そんな時、どこからか声が聞こえた。


『この独特なあいさつはリボーンだな』

「そのとおりだぞ、あげは」

『………なんでピラミッド?』

「やあ、赤ん坊。何か用かい?」


窓に腰かけるリボーンは何故かピラミッド型の中で座禅を組む形で登場だ。コスプレ好きだなリボーン。


「実は風紀委員に入りたいって奴らがいてな」

「うちに?」

『それはまた物好きな。誰?そいつら』

「ツナとロンシャンだぞ」

『それホントにツナの意志!?』


絶対リボーンが勝手に決めてるよ!かわいそうにツナ。
しかしヒバリは何とも思っていないのか(まあ、当然だろうけど)リボーンに付いていく。だからあたしも自然とツナたちのところに行くことになってしまった。


『あ、ツナいた』

「やあ」

「(ひ、ヒバリさん人引きずってるー!!)…ヒバリさんも3年…でしたっけ?」


ヒバリは引きずっていた奴をその場に捨てるとこう答えた。


「僕はいつでも自分の好きな学年だよ」

「(意味わかんね――!!)」

『アンタの常識マジどうなってんの!?』

「うるさい」

『い゛、ったぁ!!』

「(あげは殴られた――!!)」

「沢田ちゃん、オレもバイト断っちった!せっかくなら一緒がいいもんね!」


そこに現れたのはリボーンが言っていた内藤ロンシャン。
確かコイツは将来はマフィアのボスだというホラをふいているらしいが、あたしはそれは本当なんじゃないかと思う。その証拠にツナが巻き込まれてるし。



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