忘却の彼方 | ナノ


新学期から一騒動




「聞いたよ。君たち、風紀委員に入りたいんだろ?」

「え――!誰がそんなことをー!?」

『あそこのピラミッド野郎だけど』


あたしは座禅を組んでいるリボーンを指さす。ツナは案の定リボーンを恨めしそうに見ていた。


「おっ!いいじゃん!いいじゃん!やろーよ沢田ちゃん!いやーどもども!トマゾ8代目内藤ロンシャンでーす!」


内藤は風紀委員のことをあまりわかっていないらしい。入ることに乗り気なようだ。
しかしツナは肩を組んできた内藤を離して逃げる。
ツナも大変だなー…って他人事のようにこの光景を傍観している時だった。


『――っ!ヒバリっ、』

「分かってるよ。君は下がってて」


今、銃声が聞こえた。
そうヒバリに伝えようとしたけれど、それは必要なかったらしい。ヒバリは向かってきた銃弾をトンファーで簡単に弾いてしまった。
キィンッと金属独特の音が廊下に響く。


「まさか今の音…ヒバリさんに…?」

『みたいだね。つーか何で学校で狙撃?しかもヒバリにって…命知らずか』

「何のマネだい?殺し合いするなら気軽に言ってくれればいいのに」

『ヒバリの咬み殺スイッチ入っちゃった!?』


あたしとツナが慌ててると、次は内藤が撃たれた。


「もうお先まっ黒コゲ、過去もまっ黒コゲ」


内藤はパンイチで泣き始める。


「嘆いて許しを請うつもりだな!」

「テルミ!!なぜ着信拒否なんだ!!」

『………何これ』

「うん、いい鳴き声だ。すごく咬み殺したくなってきたよ」


あたしが呆れた目で内藤を見ている一方で、ヒバリはなんだか殺る気になっていた。
ヒバリ、もう咬み殺す気満々だよ。あたしは知らんぞ…。
あたしがそんなことを考えていると、もう一発銃声が聞こえてきた。今度はツナが撃たれたようだ。


「俺にまっ黒コゲとか…どーでもいいよ…」

『つ、ツナ…?』

「煮るなり焼くなりどーにでもすればいい…」

『ええええええ』


いきなり何を言い出すんだコイツは。
ヒバリはそんなツナと内藤の様子を見ると、スッとトンファーを下ろした。


「死を覚悟した人間を倒すことほどつまらないものはない…」

『え、アンタにしては珍しいこと言うね』

「とは思わない」

『ああ!なんて思わせぶりな!!』


結局ツナたちはヒバリに咬み殺されてしまったのでした。





(てゆーか、あの狙撃は何だったんだ…?)
(あれはトマゾファミリーの仕業だぞ)
(あ、やっぱりマフィア関係なんだ)



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