『ふあ…』
朝日が差し込む眩しさに自然と目が覚めた。
あ、目覚まし鳴る10分前。なんか得した気分。
そんな爽やかな朝を迎えたあたしは今日から通う並中の制服に着替え下に降りる。
リビングには既にエプロンを身に着け、横で髪を結んだ小太郎が朝ごはんを作っていた。
『おはよー』
「ん?あげはか、おはよう」
あたしは目玉焼きを作っている小太郎の隣に来ると、今日の分の弁当を作る準備をする。
何作ろうかな。唐揚げとか…?
そして二人でやったかいがあって朝ごはんや弁当はすぐにできた。
ただここで一つ問題が。
『あの三人まだ起きてこないんだけど…』
さっきから目覚ましの鳴っている音は聞こえてくるのに、一向にあの三人、銀時、晋助、辰馬は起きてくる様子がない。
「仕方がない。俺が起こしてくる」
そう言って小太郎が二階へと上がっていった。
………あれ、あいつ今何持ってった?なんか鍋とお玉持ってなかった?………ベタな起こし方だね小太郎君よ。
あたしは今から家じゅうに鳴り響くだろう音に、近所迷惑にならないといいなと思いながら耳をふさいだ。
***
「あ゛ークソ、まだ耳変なんだけど!」
「刺激的な目覚めじゃったのー」
「…………」
「貴様らが起きないのが悪い」
『いいからさっさと食べちゃいなよあんたら』
鍋を叩く音が響いた後、三人はようやっと起きてきた。
まだ文句を言っている銀時と変わらず笑っている辰馬、そしてさっきから無言の晋助。反応は三者三様だ。
それにしても…、
『…………』
「?なんだよあげは。さっきからじろじろと」
『…いや相変わらずかわいそうな頭だなと。外も中身も』
「喧嘩売ってんのお前!?」
ちょっと見過ぎたか。咄嗟に誤魔化したけど。
まあ、見てたのには訳があって銀時に限らずこいつら四人は妙に制服が似合ってる。
これはこいつらモテるな。性格はどうとか置いといて。そうするとそんな四人といるあたしはどうなるんだ。
………霞むんじゃね?これあたし霞むんじゃね?
「どうかしたのかあげは?」
『…はっ!』
いかんいかん。トリップしてた。
食べ終わった食器を片づけて家を出る支度をする。
『学校って楽しいのかなー?』
「さあな。青春とか言うくらいだし楽しいんじゃねーの?」
「面倒くせェだけだろ」
「そう言うな高杉。9代目からの頼みなのだ」
「友達100人つくるぜよ!」
『「「「それは無理」」」』
そうしてあたしたちは家を出た。
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