コスプレするなら心まで飾れ 『ねえ、これちゃんと着れてる?』 「うむ、完璧だな」 「んじゃ、行くか」 あたしたちは海賊のコスプレをして、春雨の船に近づく。 海賊になりたいんだと天人に伝えれば案の定断られたが、ここで引き下がるあたしたちではないのだ。 「つれねーな。俺たちも海賊になりてーんだよ〜連れてってくれよ〜。な?あげは、ヅラ」 『おうよ』 「ヅラじゃないキャプテンカツーラだ」 誰だよキャプテンカツーラって。ほぼそのまんまじゃねーか。 「俺達幼い頃から海賊になるのを夢見てたわんぱく坊主でさァ、失われた秘宝"ワンパーク"というのを探してんだ!な?あげは、ヅラ」 『おうよ』 「ヅラじゃないキャプテンカツーラだ」 あたしたちの話にほとほと呆れた様子を見せる天人。最終的には銀時の話を軽く流し、船に戻ろうとする。 そのすきにあたしたちは目を合わせて刀を抜いた。 ジャコン 銀時が天人の左側、小太郎が右側、そしてあたしが後ろから天人に刀を突きつける。 「面接ぐらいうけさせてくれよォ」 『予行演習だってやったし完璧だからさァ』 「ホラ、履歴書もあるぞ」 ――――… 強行突破して船に潜入したあたしたち。 小太郎は例の薬、転生郷を始末しに行くと言って、あたしたちとは別の方向へ行った。 あたしと銀時は新八と神楽を探す。 『……っ…は、』 さっきから背中がズキズキと痛む。 絶対傷口開いたなコレ。 「おい、顔色悪ィぞ。傷口開いたんじゃねーの」 『…あんたこそ。人のこと言えないんじゃないの?』 「銀さんは二日酔いですぅー」 『あっそ……。…あ!銀時あそこ…!』 あたしが指さす方には神楽と陀絡と呼ばれていた天人がいた。 そこではちょうど神楽が陀絡を蹴り飛ばし、海に落ちようとしているところだった。 それを見た銀時が猛スピードであたしの横を通りぬけていく。 「待てェェェ!!待て待て待て待て待て待て待てェェェ!!」 銀時は自身の左腕のフックに綱を結び付け、船の側面を走って行く。 そのまま神楽を抱きとめると、勢いで壁に激突した。 『…ったく、相変わらず無茶するんだから…』 あたしが銀時が着地(?)した方へ向かい、銀時の横に立つ。 prev / next back |