「…いでで傷口ひらいちゃったよ」

『そりゃそうだろうねェ。………さて、面接会場はここですか?』

「こんにちは、坂田銀時です。キャプテン志望してます。趣味は糖分摂取、特技は目ェ開けたまま寝れることです」

『紅藤あげはです。副キャプテン志望してます。趣味は同じく糖分摂取、特技はギャンブルでーす』


「銀さん!!あげはさん!!」


新八があたしたちの名前を呼ぶ。
それと同時に船内で爆発が起こった。慌てる天人たちの前に姿を現したのは小太郎だった。


「俺の用は終わったぞ。あとはお前らの番だ、銀時、あげは。好きに暴れるがいい、邪魔する奴は俺がのぞこう」

「てめェは…桂!!」

「違〜〜〜う!!俺はキャプテンカツーラだァァァ!!」


小太郎が爆弾を持って飛び降りる。
それを見て天人たちは一斉に小太郎の方に襲いかかった。
しかし中にはこちらに向かってくる奴らもちらほら。


「あの二人の首をとれェェ!!」

「…あげは」

『フフ…言われなくても分かってるよ。あんたは陀絡の方に集中すればいいさ…』


銀時たちから少し離れた所まで来ると、
ヒュッ
天人たちに向かって刀を薙いだ。
いきなりの攻撃に動揺する天人たち。それを見て口角を上げた。


『何人たりとも、銀時の邪魔はさせないよ』


そう言って天人たちを次々に斬り捨てていった。


――――…


小太郎もいたからか思ったよりも早く雑魚を片付け終わったあたしは銀時の方へ戻っていく。
戻ったころには、


「――――無粋に入ってきて俺のモンに触れる奴ァ、将軍だろーが宇宙海賊だろーが隕石だろーが、ブッた斬る!!」


勝負がついていた。


――――…


「アー、ダメッスね。ホントフラフラして歩けない」

「日ぃ浴びすぎてクラクラするヨ。おんぶ」

「何甘えてんだ腐れガキども。誰が一番疲れてっかわかってんのか!二日酔いのうえに身体中ボロボロでも頑張ったんだよ銀さん!な?あげは!」

『そうだね。あたしも疲れた。銀時おんぶ』

「俺の話聞いてた!?……つきあってらんねー。俺、先帰るからな」

『けちー』


銀時があたしたちに背を向けて歩き出したので、あたしはその背を追いかける。
しかし動いたのはあたしだけで。


『あの二人、来てないけど?』

「…………」


だんだん遠ざかっていくあたしたちを見ても動く気がない二人。
痺れを切らして折れたのは銀時の方だった。


「いい加減にしろよコラァァァ!!上等だ、おんぶでもなんでもしたらァ」


その言葉を聞いて全力で走って来る子供たち。
…なんだ、結構元気そう。


『フ…おいで神楽。あたしがおぶったげる』

「やったー!!さすがあげはネ」

「お前背中の傷開いてたんじゃねーの?」


新八をおぶりながら、銀時が聞いてくる。


『あたしはそんなやわじゃありませんー。神楽一人くらい平気だし』

「そうかい………ったくよ〜重てーなチクショッ」


そんなあたしたちの様子を小太郎が眺めていたことに気付かず、あたしたちは万事屋に帰って行った。


「フン、今度はせいぜいしっかりつかんでおくことだな」



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