全国のコギャルども門限は守れ




騒がしい音楽が鳴り響く店の中、あたしたちは依頼で人探しをしていた。
代々徳川家に仕えてきた家柄の娘らしく、名前は確か…えーと…


『あ!ハム子か』

「ちがいますよあげはさん」


せっかく思い出したと思ったら違ったらしい。
てかそもそも見つからないし。もう面倒くさくなってきた。


『新八ィ、あたしトイレ行って来るわ』

「ちょっ、銀さんに続きあんたもですか!?」

『言っとくけどあたしは二日酔いじゃあないかんな』


トイレに入って自分が映る鏡を見つめる。
あ、クマできてる。銀時みたいに二日酔いにはならなかったけど寝不足だもんなー。


『もう適当なハムでも差し出して早く寝たい』


愚痴をこぼして女子トイレから出る。
ふと隣の男子トイレを見れば、天人どもが入り口に密集していた。
え、何、連れション?

あたしがその様子を見ていると、男子トイレの戸が開いた。
出てきたのは銀時と、依頼人の娘だった。
あたしは天人たちの間を縫って銀時の傍に行く。


『銀時、あんたトイレに女連れ込んで何やってたの』

「あげは!?それ誤解だよ誤解ィィィ!!」


天人に囲まれている(あたしは自主的にそうしたが)この状態は非常によくない気がする。
だってこいつら全員気色悪い笑みを浮かべている。


「オラッちゃちゃっと歩かんかイ!!」


向こう側から聞こえてきた声の方にあたしたちは目を向けた。
そこにいたのは


『新八…?神楽…?』

「何…オイ!どーしたんだ!?」


銀時が二人の方に行こうとするが天人に邪魔されてそれが叶わない。


「お前目障りだよ…」


不意にそんな声が聞こえてきたかと思うと、声の主は銀時に刀を突き刺した。
女を抱えている上、新八と神楽が連れ去られたということに目を向けていた銀時はそのまま窓から落下していく。


『銀時!!』


あたしは窓から身を乗り出して落ちていった銀時を探すが、ここからでは何も見えない。
この時、銀時の安否しか頭になかったそれがいけなかったんだ。
背中に鋭い痛みが走る。
自分が斬られたと気付いた時には銀時同様に窓から落ちていた。



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