反省会はしっかりと


『いただきます。』

あたしはそう言って手を合わせ食べ始める。

そこでふと視線を感じた。

『…平助、あたしになんかついてんの?』

平助がさっきからこっちを見てる。

なんなんだいったい。

すると平助は戸惑いながら言った。

「え、いや…。あげはっていただきますとかちゃんと言わないと思ってたから…。」

『あんた朝っぱらからあたしに喧嘩売ってんの?』

平助の中であたしってどんなイメージになってんの?

「でも、やけに丁寧だったよね。」

さらに総司までそんなことを言い出した。

『うるさいな、いーでしょ別に。』

「なんか習ってたのか?」

…左之さんまでそんなことが気になるのか。

『……昔、教えてもらったんだよ。』

「誰に?」

総司に聞かれ、少し戸惑う。

誰に、か…。

「あげは。」

ああ、あたしはいつまで過去に縛られているんだ。気を抜くといつだってあの人の声がよみがえる。

…嫌だねー、どんだけ引きずり症なんだあたしは。

「あげはちゃん?」

総司の声で現実に引き戻される。

いけね、トリップしてた。いや、まあトリップはしてるんだけども。…でなんの話してたっけ?あー、誰に習ったのか、か。

『…あたしの恩師だよ。』

「恩師?」

そう聞き返されるがあたしはそれを聞き流す。

『ま、それよりご飯食べよ。』

「そうだな!って、新ぱっつあん!!それ俺の魚!!」

平助が声を上げる。どうやら永倉さんが彼の魚を取ったらしかった。

…なんか万事屋の食卓思い出す。

『まあまあ、落ち着きな平助。』

「そういうお前もそれ俺の味噌汁なんだけどォォォ!!」

『世の中弱肉強食だろ?』

あたしは平助の味噌汁を飲み干す。うん、やっぱ日本人は味噌汁だよね。

『千鶴もなんか欲しい?平助のなら取れるよ?』

「え!?わ、私は大丈夫です!」

急に話を振られたからか、千鶴は戸惑っていた。

かわいいやつめ。

「てゆーか、なんで俺のを取る前提ィィィ!?」

そのあともわいわいやってたら土方さんに食事中くらい静かにできねーのか!!って怒られた。(その後も騒がしかったが)

今は食べ終わり、部屋に残っているのはあたしと千鶴と総司と一君と左之さんだ。


 



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