似ている奴には気をつけろ


『あ゛あ゛あ゛あ゛!!木刀がねえェェェェエエ!!』

そういえばこの間神楽に折られたんだったァァ!
 
「血ぃぃ!!」

そうしている間にも、男たちは向かってくる。

『あーもう!!なんだってんだ!!』

あたしはクナイを出し、男たちに投げる。

『悪いけど、簡単にやられるようなあたしじゃないんでね。』

しかしクナイが当たったにもかかわらず、男たちは立ち上がる。

軽くホラーだよ?これ…。

殺さなきゃダメかなぁ。

あまり殺しはしたくないけどこれは正当防衛ってことにして、今度は男たちの心臓に向けてクナイを投げる。

そうするとやっと男たちは動かなくなった。

『ふぅ…。』

安心したのもつかの間、

チャキ…

…はい?

あたしは白髪の男たちに次いで、今度は黒髪に刀を突きつけられていた。
 
『え?何これ?なんであたし刀つきつけられてんのォォォ!?』

「動くなよ?動いたら斬る。」

黒髪の声は本気だった。ああ、こいつはためらいなくあたしを斬る。

そう思ったあたしは騒ぐのをやめ、辺りを見る。

あたしに刀を向けてんのは、黒のポニーテールだ。

そいつの他に茶髪とマフラーがいる。

「土方さんこの子どうするんですか?見ちゃったんだし、殺します?」

さらりと物騒なこと言いやがったよこの茶髪!!

「…総司。」

マフラーが制すように言う。

この人は常識があるのかもしれない。

「とりあえず屯所に連れて行く。」

黒髪が言った言葉にあたしは少し反応する。

…屯所?どっかで聞いたことあんだけど。

刀を向けられているので抵抗できないあたしはそのまま三人に連れて行かれた。



(…野宿は免れたけど、やっぱり誰か助けてェェ!!)
 

 →



×