オタクダンサーとブックカフェオーナー 1話
「おーいゾロ。てめぇいつまで見てんだ風呂入って寝るぞー」
「ん…次…最終回だから……」
「それさっきも聞いたんだが…」
「…さっきのは…違うアニメ…」
もうすぐ日付も変わる夜。
2LDKのゾロの部屋。いつまで経っても寝室に来ないから入ってみたら…またこれか。
デスクトップのPCの周りに乱雑に置かれたブルーレイディスクの山々。本棚にぎっしりと詰め込まれた漫画に、その上に乗る大量のフィギュアとプラモ…
これが俺の恋人の部屋の中身だ。
ああ、引かないでおくれそこのレディ。
俺もちょっっっと引いてはいるがこいつは踊らせれば天才なんだから…
「ってこらマリモ!もうエンディングじゃねぇか!さっさと入れ!」
「このアニメのエンディングは見なきゃいけねぇんだよ!」
どーゆうことだ!
エンディングなんざ毎回同じじゃねぇかよ!(以前そのようなことを言ったら「これのEDは2,3回ごとに内容が違ぇんだよアホコック!」と何故か逆ギレされたのを覚えていない)
「終わったか…」
「おう。よし次がさいしゅ
「風呂入れっつったろーが!」
「……見たい」
「…だーめーだ」
んな可愛い顔しても駄目に決まってんだろ!(許してしまいそうになる俺がいるのも事実…)
「………ケチぐる眉毛」
「…………テメェ明日の大会でられなくしてやろうか…」
「行ってきます…」
「おうおう、最初っから素直にそうすりゃいいんだよクソマリモ」
「……変態ダーツコック」
ぼそっとゾロが部屋に出る際にそう呟いたのが聞こえたが、抑えろ俺…!ここでキレちまったら意味ねぇだろ…!
これがサンジとその恋人ゾロの日常である。
「上がったぞー」
「あーもうだからちゃんと身体拭いて服着ろって何回言やぁわかんだよ…」
「ん」
「当然のごとく俺にタオルを渡すな!」
これも恒例になりつつある光景の1つだ。
ゾロは風呂上がりろくに髪も拭かずパンツだけ履いて出てくる。
いや、まぁ六つに綺麗に割れた腹筋と、男なのにやけに育っている胸(「筋肉だ馬鹿コック」byゾロ)は見てて惚れ惚れするぐらいだが…
風邪引くだろ、フツー。
ソファに座る俺の前にドカッと座るゾロ。先程手渡されたタオルでゾロの短く切り揃えられた緑頭を拭く。
「はぁ…俺も甘いなぁ…」
「…おいコック…」
「2人ん時は名前で呼べ」
「…明日の大会ちゃんと来るのか…」
「無視かよ…ああ、明日は行くぞ」
「…来なかったら承知しねぇかんな」
「なぁに、この前のでまだ拗ねてんのー?」
「…うるせぇ。その口調やめろ馬鹿」
可愛いなぁ…ホントに…
7つ年下の成人男性のはずなのに、なんでこいつは幼くて可愛いんだろう…
にやける顔をそのままに「ほら、終わったから、寝るぞ」と耳元で囁く。
これも恒例だ。
「っ…それっ、やめろって言ってんだろ…」
「嫌じゃねぇくせに」
「嫌だから言ってんだよ!」
「はいはい」
「…ムカつく」
「なんとでも。」
「…………」
「ゾーロ」
「…んだよっ」
好き、愛してる
…あと、ゾロの身体見たおかげでちょっとムラムラしてんだけど…
「…んのっ……変態!」
「あっ、ちょ、待てコラ!ちゃんと服着て寝ろテメェ!寒いだろ!」
「知るか!テメェがいるからいいだろ!」
「っ!!………お前なぁ〜!」
「…ふん、早く、寝るぞ」
「えっ、じゃあ俺の息子は…」
「自分でなんとかしやがれ!」
「えーっ!そりゃあんまりじゃねぇか!ゾロのせいなのに!」
「俺のせいじゃねぇだろこのエロエロ眉毛!」
「カッチーン!んなこと言う悪ガキにはお仕置きを…」
「ふざけんなっ!」
「へぶっ!」
ちょっ…テメェのその鍛えた腕でのパンチはキツイって…
でもゾロの真っ赤な顔が見えて少し痛みが減った気が…しない…
「けっこう痛いんだけどゾロ…」
「お前も鍛えりゃいいだろ」
「これでも鍛えてるわ!」
サンジ28歳、今、すごい幸せです。
まずデキてる2人の日常から。
自分で書いといてなんですが甘すぎて砂吐きそうです。
…バカップルか!