塲科（ばか）
2013/02/20 03:42
快楽
快感
貴男にとって
ただそれだけの事が
たったのそれだけが
彼女には
苦痛で苦悶で激痛で
恐怖で戦慄で震撼で
何より「痛み」なんだ
「消えない傷」なんだ
一生付き纏う恐怖で
ずっと忘れぬ羞恥で
生涯失くせぬ怨嗟で
残留し続ける記憶だ
視覚に
聴覚に
嗅覚に
味覚に
触覚に
残っているんだ
心に体に心血に
染み付いているんだ
染み透っているんだ
ずっとずっとずっと
消えないんだ
ずっとずっとずっと
苦しみ続けるんだ
彼女達の
慟哭も悲愴も
痛哭も痛歎も
貴男に伝わらない
貴男に認知しない
貴男には届かない
貴男には解らない
でも残留するんだ
記憶として残るんだ
記憶として留まるんだ
貴男にとっての
ただの「最高だった」が
貴男にとっての
ただの「気持ち良い」が
どれだけどれだけどれだけの痛みか
どれほどどれほどどれほどの怨嗟か
残酷で冷酷で厳酷で過酷で苛酷で
陰惨で悲惨で惨害で惨禍で惨状で惨事で惨劇で惨烈で凄惨で
「それだけ」じゃなく
「それほど」なんだ
「それほどのものでも…」じゃない
「それだけ大きなもの」なんだ
伝わらない奴に何を言っても
わからない奴に何を遣っても
伝わないのだろうから
解らないのだろうから
無意味で無意義で
それでも必死に頑張っている人は居る
それがどれほどの犯罪(つみ)であるか
それがどれほどの罪科(ばつ)を負うか
人の痛みが解らぬ奴ほど
本当の“憐れ”は無いだろう
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