言の葉 | ナノ
孤悲（こい）
2013/02/05 22:09
好きで好きで好きで大好きで
好きで好きで堪らなくて
一緒に居たい
触れて欲しい
褒めて欲しい
笑って欲しい
見ていて欲しい
そうでなくともせめて傍に居たい
殴られても良いから
叩かれても良いから
蹴られても良いから
怖いけれど
痛いけれど
それでも一緒に居たい
好きだから
大好きだから
そう思う小さな命があっても
そんなものはどうでも良い男は
そんな事など問題外である女は
そんなものなど無関心な其奴は
そんな事はお構い無しの彼奴は
罪の無い小さな命に
罰を受ける必要の無い命に
振り上げた拳を叩き付ける
大きな足を繰り出す
固い平手を打ち付ける
必死で生きようとする小さな命が
どれだけ悲愴に泣き叫んだって
理不尽な怒号をぶつけながら
どれだけ罪の無い謝罪をしても
不条理な憤怒をぶつけながら
その
無垢な眸から色が消えるまで
小さな体躯が紅く染まるまで
優し過ぎた心が崩壊するまで
泣き顔さえ失くしてしまうまで
悲痛な歔欷が聞こえ無くなるまで
か細い悲鳴さえ喪失するまで
恐怖を映す双眸が
彼岸を視詰めるまで
謝罪と歔欷を漏らす口唇が
二度と何も発しなくなるまで
蹲って震える躰が
その動きを止めるまで
凄く凄く大好きで
何よりも愛していて
どれだけ何をされても
大好きで愛していて
愛されたい
愛して欲しい
ただそれだけの事を
どれだけ求めても
どれだけ望んでも
愛の一方通行
愛の無い親の下へ生まれた子は
愛の無い主に飼われたペットは
永遠の片想い
永久の片恋
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