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パーティーが終わり、部屋に戻って一息ついたところで、ヴィムがやってきた。
すでにこちらもリラックスした姿で、ベッドに入って座っていたミレイユの隣に滑り込んでくる。
「一緒に寝かせて」
「かまわないけど、疲れてないの?」
「今日は全然二人でいられなかった」
ヴィムはシーツの中で不満気に呟き、片腕に頭をのせてミレイユを見上げた。
金色の髪から獣の耳がのぞいている。
やっぱり疲れているらしい。
ミレイユはくすりと笑って、その耳に触れた。
「ああ、姿を変えようか」
「いいのよ、そのままで。あなたのいたい姿で」
ミレイユの答えに、ヴィムが嬉しそうな顔をする。
甘えきった表情はミレイユの前でだけ見せるもので、ミレイユはようやく彼がいつもどおりのヴィムであることを確認して安心した。
「ヴィム」
「ん?」
「私のことはかまわずに、他の方々との交流を大切にしてね。私は私で、あなたはあなたで、違う生き方があるんだから」
ミレイユはゆっくりと、優しい口調でヴィムに語りかける。
その内容に、ヴィムは眠そうな目を驚きに見開いた。
「どういう意味?」
「え?」
「なんでそんなこと言うの」
理解できない、というふうに彼は飛び起きる。
ミレイユは穏やかに微笑んだ。
「悪い意味じゃないわ。私たちはこうして一緒にいられる時間があるんだから、あなたが外の世界を広げるのも良いことだって言ってるの。そして、私にそれは必要ないものよ。何もかも一緒じゃなくても、ちゃんと私はここであなたを待っているわ」
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