ミレイユとともに医者に診てもらって、泥のように眠りについた。
就寝前、あてがわれた部屋でヴィムは絨毯の上で丸くなったが、ミレイユがベッドの上に呼んでくれた。

「ヴィム」

呼ばれてすぐに顔を上げたが、立ち上がれない。

「おいで」

そう言われてようやく体を持ち上げる。

ミレイユの側に近寄っていいものかどうかわからなかった。
今更になって、連れ戻したのが正しかったのかどうかわからなかった。

ミレイユは、俺と一緒にいて幸せだと思えるだろうか?
辛いから、離れようとしたんじゃないだろうか?

ヴィムが遠慮がちに近づくと、ミレイユはぽんぽんと自分の隣を叩いた。
ベッドに上がり、彼女の側に座り込む。
ミレイユはヴィムの体を撫でて、その毛並みに顔を埋めた。

「ごめんね」

微かに震えた声が、ぽとりと落ちる。

「……ごめんなさい」

今にも消えてしまいそうな弱々しい声。
ヴィムは精一杯の気持ちを込めて、ミレイユの頭に顔を寄せた。

「迎えに来てくれてありがとう、ヴィム」

思いが通じたように、ミレイユが困ったような顔で微かに笑む。
そして、頬にひとつキスをくれた。

人の姿でもないのに、じわりと涙が滲む。
大丈夫だ、ちゃんと、ミレイユはここにいる。

同じベッドで、いつものように隣り合って眠る。
ミレイユの寝息に安心して、ヴィムも夢の中に沈み込んだのだった。

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