休日の日



それから毎日訓練は続いた。
雨の日でも風の日も…嵐が来ても訓練をした。

リヴァイさんも壁外調査の前の日と終わった後は必ず会いに来てくれた。

訓練は厳しくなっていき脱走する人もいたし、開拓地に送られた人もいた。
私もあまりの厳しさで折れそうになった心も訓練兵のみんなに励まされて頑張った。

そんな厳しい訓練の合間にも訓練が休みの日が半年に1回ある。
今日はその久しぶりの休みの日。

「今日は休みだし、街でも行ってみようぜ」
「そうだね。ミカサもなまえも行こうよ!」
ミカサは頷いたけど私は首を横に振る。
「ごめん。私は行くところがあるの」
「なんだよ。せっかくの休みなのによー」
エレンが言えば私は微笑む。
「せっかくの休みだからそこに行くんだよ」
3人は不思議そうな顔をしながらも私を送ってくれた。

今日私が行くところは私の居場所でもある調査兵団のところ。
ペトラさんやハンジさん達に会いに行くんだ。


調査兵団のところへ着けば中に入る。
「なんか久しぶりに来た気がする…」
すると前から見知った人が歩いてくる。

「あっ、ハンジさーん!」
私は大きく手を振る。
「あれ?なまえちゃん!どうしてここに?」
ハンジさんと一緒に男の人もやってくる。
「今日久しぶりのお休みだったのでみなさんに会いに来ちゃいました!」
私が笑顔で話していると男の人が私の匂いを嗅いでいる気がした。
「そうなんだ。なまえちゃんがいるから驚いちゃったよー。あっこの男はミケ・ザカリアス。初めて会う人にはこうやって匂いを嗅いで鼻で笑う癖があるんだけど…まぁ特に意味はないと思うから気にしないでくれ」
「あっ、はい…」
私はアニメで見た通りで苦笑いで頷いた。

「今、リヴァイもエルヴィンもいないんだ。調査兵団本部でずっと会議してて中々出てこなくて本当に参ってるよ」
「そうなんですか…。忙しいんですね」
「リヴァイに会えたら言っておくよ。なまえちゃんがリヴァイに会いたがっていたって!」
ハンジさんがウインクをして言った。
「そ、それは困ります!」
私は首を横に振って否定をする。

「あははっ!冗談だよ」
ハンジさんは私の背中を叩いて笑った。
「痛いですよっ、ハンジさん!」
「じゃまたね!」
ハンジさんはミケさんと一緒に行ってしまった。


私はみんなが訓練しているであろう場所へと向かった。
「あっ、グンタさーん!」
私はグンタさんの姿を見つけて手を振る。
「ん?なまえじゃねぇか!」
グンタさんはすぐに私に気が付いてくれてペトラさんを呼んでくれた。

「なまえちゃん!どうしたの?」
ペトラさんは驚いたような顔をする。
「ペトラさん達に会いたくなってきちゃいました。今日は訓練お休みなんです」
「そうなんだ。事前に分かってたなら連絡してくれたら良かったのにー」
「だって驚かせたかったんです!」
私は笑って言えばペトラさんは「もう…」と言いながら笑ってくれた。

「すみません、訓練の邪魔しちゃったみたいで」
私はみんなが立体機動の訓練をチラリと見ながら言う。
「いいの。今日はリーダー達いないから結構適当にやってるの」
ペトラさんがクスクスと笑う。
「一緒にやる?一緒に訓練してた頃思い出して。…でも今日はお休みなんだもんね。休みの日くらい休んだ方が…」
「やりたいです!またペトラさん達と一緒に」
私はペトラさんが喋っている途中で言った。
「なまえちゃんらしいね。よし、じゃ立体機動持ってくるね」
そう言ってペトラさんはもう一つ立体機動を取りに行った。

「久しぶりだな、なまえ」
後ろから声を掛けられて振り返ればエルドさんとグンタさんとオルオさん。
「お久しぶりです!元気でしたか?」
「元気に決まってるじゃねぇか。この間も壁外で巨人の討伐は俺が一番…」
「オルオ、うるさい!」
ペトラさんが立体機動を持って戻ってきたのかオルオさんの腰辺りに立体機動をぶつける。
「痛っ!ペトラ、やめてくれよ」
「オルオが自慢ばかりするからでしょ?」
そんな2人を見て私は笑う。

「はい!じゃこれ付けてね!」
「ありがとうございます」
ペトラさんから立体機動と今日は私服だったため固定ベルトを借りた。

早速固定ベルトを付けて立体機動を付ける。
「ペトラさん、準備出来ました!」
「じゃやろうか!」
そしてペトラさんが先に飛ぶ。
私もそれを追い掛けた。後ろからエルドさん達が付いてきているのが分かる。

「おいおい、なまえ立体機動うまくなったんじゃないか?」
グンタさんが私の後ろから言う。
「本当ですか?」
私は後ろを振り返って言う。
「あの頃より確かにうまくなった気がするな」
オルオさんも頷いて言う。
「ありがとうございます!私だって成長するんですからね!」
「本当に上手になったね。壁外へ出ても頑張って貰うからね」
ペトラさんが笑いながら言い、太い枝に着地する。
私もペトラさんの横に着地する。
「頑張りますよ!」

それから調査兵団の人と訓練をしていればあっという間に時間は経ち、夕方になる。

「なまえちゃんお疲れ様」
立体機動と固定ベルトを返した時に笑顔で言われた。
「とても楽しかったです。みんなと訓練出来て」
「そんなの訓練兵卒業したらいくらでも俺たちと訓練出来るよ!」
エルドさんが私の頭を撫でて言った。
「そうですよね?頑張って卒業してきます!」
私は左胸に拳を当てて敬礼のポーズをする。

「おっ?楽しみにしてるぞ!」
グンタさんが笑いながら言った。
「じゃそろそろ帰りますね。ありがとうございました!」
私はお礼を言い、調査兵団の場所を離れて訓練兵達がいる宿舎へと戻る。


結局リヴァイさんには会えなかった。私が訓練兵になる前の日も会えなかったことあったなと思いながら宿舎へと急いだ。

「なまえ、おかえりなさい!」
サシャが私に気が付いて手を振る。
私も微笑んで手を振る。
「ただいまー」
「うん?……なまえもしかして訓練とかしてきませんでしたか?」
サシャが私の匂いを嗅ぎながら言う。
「えっ?嘘、汗臭いとか?」
私は焦りながら自分の匂いを嗅ぐ。
「いえ、全然分からないですけど勘です!」
さすがにサシャの勘には驚いて苦笑いをする。
「あー、うん。ちょっと訓練してきちゃった」
「なまえすごいね。休みの日まで訓練なんて」
クリスタが驚きながらユミルとやってきた。
「なんか訓練しないと変な感じするんだよね」
私は苦笑いをする。
「それじゃミカサと同じじゃねぇか」
ユミルが呆れた顔をしながら言った。


休みの日も終わってしまい、また明日から訓練が始まる。
そして卒業試験も近くなってくる。
もう少しで私は調査兵団になる。

また現れる超大型巨人まであと少し…。




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