幸せな世界


身体が冷えたのか寒さで目を覚ます。ふと時計を見ればまだ6時前。
身体を丸めて毛布を被り、もう少し寝ていようと考えて布団に潜り二度寝という悪魔に取り憑かれる。

次に目を覚ましたのはそれから1時間後。
「…ん…あれ?……!!」
この時間はやばい。遅刻ギリギリになってしまう。
一人暮らしだと起こしてくれる人もいない。目覚まし時計は勝手に止まっていた。
もしかすると寝ぼけてそのまま目覚まし時計を止めてしまったのだろう。そんなことは私にとって日常茶飯事だったりする。
急いで飛び起きて顔を洗い、歯磨きをする。
もちろん化粧は忘れない。

社会人になってまだ2年目。
大学を卒業して会社に就職をした。パソコンと毎日睨めっこをして、上司にお茶を入れてそんな生活にはもう馴れた。

支度を終えて鞄を持ち、急いで家を出た。


なんとか電車に間に合い一息つく。意外にも私の乗るこの電車は混雑しない。座れないこともたまにあるが大抵は座ることができる。
窓から空を見れば冬の空で雪が降りそうな雲が見えた。
雪が降るのかな?そんなことを考えていれば最寄りの駅に着き、電車を降りて首に巻いていたマフラーをしっかり巻き直して会社へと急ぐ。

「おはようございますー!」
挨拶をして事務室に入り、自分の席に座る。
「なまえ、おっはよ!」
後ろから声を掛けられて振り返れば、同期で親友でもある奈緒がニコニコ笑っていた。
「奈緒、おはよう。朝から元気だねー」
私は朝は弱い。低血圧なんじゃないかと思うほど弱い。
「全く朝からだらしない!朝ごはん食べてないでしょ?」
奈緒に言われて苦笑いをしてやった。
「はぁー、これでも食べてシャキッとしなさい!!」
奈緒に渡されたのはカロリーメイト。これはシャキッとできるのだろうか?

朝の朝礼をして仕事に取り掛かる。ディスクワークは大変だけど2年間働いてコツは掴んできた。
ふと机の上にある卓上カレンダーを見ると書いた覚えのない文字が書いてある。

「…リヴァイ兵長の誕生日?」
なんでそんなこと書いてある?犯人は1人しかいない。
卓上カレンダーを持って隣に座る奈緒に見せる。
「ちょっと、奈緒!これ書いたの奈緒でしょ?」
「へっ?…あぁ、12月25日は兵長の誕生日なんだよ!覚えてあげてね!」
ニッコリ笑う奈緒に苦笑いをした。
奈緒はまたパソコンへと視線を移した。

奈緒は進撃の巨人というアニメにはまっている。そして奈緒から観ろと言われてDVDを借りている。まだ半分程しか観ていないが…。

リヴァイ兵長の誕生日と書かれた文字を見ていると何故か頭が痛くなった。
風邪かな?と思いながら卓上カレンダーを机に戻して頭を押さえながらパソコンへと私も視線を移して仕事に集中した。




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