NEW YEAR!!!(2)



※女装注意



「入って入って!」



みんな少なからず嫌そうな顔をして渋々とあたしの部屋に入ってくる。あたしはスクバから化粧ポーチを出してコスメを並べる。
ファンデーションを手にとって、まずは慎ちゃんね!と慎ちゃんの前に座る。



「それ何っスか?」

「ファンデーション」

「ふぁん…?」



不思議がる慎ちゃんを無視してファンデーションを塗る。アイメイクもしてチークも塗ってグロスも塗って…あ、なんか楽しいかも。



「じゃあ慎ちゃんこれ着てねっ」

「こっ、これッスか!?」

「はい、向こうで着替えて来て!来たら戻って来てね!髪の毛も触るから!」

「…はいッス」

「桂さん、僕たちもあんなふうになるんでしょうか」

「…そうみたいですね」

「じゃあ次は桂さん!」



桂さんも慎ちゃんと同じようにメイクをしていく。肌白いなぁ、…わっ!ほんとに女の子みたい!と言うか…お人形さん?絶対あたしより綺麗だよ…。



「はい、桂さん終わりです!」

「か、桂さん…!」

「恥ずかしいから見ないで下さい…」

「姉さん!これ嫌ッス!…ってえぇ!?桂さん!?」



武市さんも着替えが終わった慎ちゃんも桂さんの綺麗さにびっくりしていた。



「えっと、じゃあ桂さんはこれに着替えて下さいね」

「…あぁ」

「じゃあ次は武市さん!慎ちゃんちょっと待っててね」



武市さん、肌綺麗だなぁ…。なんか化粧しちゃうのがもったいないかも。武市さんも本当に綺麗!桂さんとはまた違う綺麗さ…思わず見入ってしまう。
武市さんの化粧が終わって、武市さんにも着替えてもらった。
慎ちゃんの髪の毛をいじってる時に、桂さんが帰ってきた。一瞬どこのお姫様かと思ったよ…。
桂さんと武市さんの髪の毛もいじってみんな完成!



「皆さん、綺麗!可愛い!」



あたしのテンションが高い顔とみんなの複雑な顔がすごく対照的だけど気にしない。それよりも早く龍馬さんたちに見せたかった。



「じゃあみんなの所にいこうか」

「えっ!?皆さんに見せるんスか!?」

「?当たり前じゃない」

「当たり前なのか…」

「…やれやれ」

「じゃあ名前呼んだら1人ずつ来て下さいね!」



3人より一足先にみんなのとこに戻ると、以蔵の顔はさっきより黒くなってた。龍馬さんがあたしに気付いて手を振る。



「杏絵さん、化粧は終わったがか?にししっ」

「終わりましたよ!今から1人ずつ呼びます!」

「楽しみだな!」

「じゃあまずは…慎ちゃ〜ん!」



カラッと襖が開いて慎ちゃんが俯きながら出てくる。



「…なっ、中岡!?」

「姉さん…恥ずかしいッス!足がスースーするッス…」

「あたしがいた時代の女の子っぽくしてみました!」

「中岡!せぇらぁ服も似合っとる!」

「…悪くない」



大きい声では言えないけど慎ちゃんは背丈があたしよりちょっと大きいぐらいだからセーラー服を着せてみた。髪の毛もポニーテールじゃなくて緩く2つくくりにした。
スカートの裾を押さえて真っ赤に俯いてる慎ちゃんはとにかく可愛い。大成功!



「ふふっ、じゃあ次は桂さ〜ん!」



少し間があって襖がゆっくりと開く。伏せていた目を上げた桂さんはわざとなのか、それとも無意識なのか…とにかく艶っぽくて女のあたしでもドキドキしてしまう。
桂さんは、あたしが持っている着物の中で一番落ち着いていて大人っぽい着物を着て、髪の毛を結い上げてかんざしでまとめている。



「いつもの変装とはまた違うな、小五郎…」

「えっ?桂さん女装趣味があるんスか?」

「…趣味ではない!」

「じゃが『逃げの小五郎』と呼ばれちゅう理由も分かるぜよ」



龍馬さんがまじまじと桂さんの顔を覗き込むので、桂さんは真っ赤になった顔を着物の袖で隠した。



「いかん、ドキドキしてきたぜよ…。仕草までまるで女子のようじゃ」

「や、やめ…っ!」

「こっち向いてくれんか、桂さ…いたっ!」

「いい加減にしろ、龍馬。桂さんが困ってる」

「武市!?」



…続く



2011.01.14




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