君のとなり | ナノ







結局私は四月から青道高校に勤めることになった。三年生にはクリスくんもいるし、緊張はするけど、少し安心だ。

「苗字名前です。本日から青道高校野球部で医療トレーニングコーチを努めさせていただきます。週の半分は桜ヶ丘病院で看護師をしています。必要があればそちらの医師と連携して対応していきます。
青道高校では補助養護教諭をする予定なので、部活以外の時は保健室にいます。よろしくお願いします」


緊張しながらの挨拶を終えて、頭をあげれば目の前にあの頃から少しだけ大人びた御幸一也がいた。


「…!」

別に彼を追ってきた訳じゃない。
彼を思い描いていた訳じゃない。

だから今、胸の鼓動が一際高鳴っているのは彼のせいなんかじゃないんだ…。







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