静寂は甘くない

「何処だよ、ここっ」

腕や足を鎖から外れないか引っ張りながら尋ねる


鎖は外れず、虚しく音が鳴って俺の手が痛くなっただけだった


「オレ達のアジトの拷問部屋」


「....ッ」


"拷問"と云う言葉にやっぱり、殴られたり蹴られたり、それ以上の事をされるのかと思うと強がっていた俺も怖くなって声が出ない



目線を動かすと、所々に赤黒くなった血痕や何かよくわからない機械が置いてある



「怖くなったのか?拷問する気は無いんだがな」


拷問する気は無いのに何故拷問部屋に入れるのかが分からない



「何か答えろよ」


出そうと思っても喉が渇き、恐怖で出ない


俺の馬鹿


もう帰りたい。


無理だ、どうしようも無くて今まで溜まっていた涙が溢れる


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