memo simple is the best! ::知らない、俺は何も。 戦闘で身体中と目を怪我して、目が見えなくなった、人間の男を獣人が拾って看病するところから始まる話。 もちろん、バッドエンド。 「はぁ....はぁ...」 住んでいた村を人間に破壊された。両親とは別れ、生きているのかもう分らない。心のどこかで多分、生きてはいないのだろうと思っている。あれだけ酷い怪我を受けていたのだから、平気なはずはない。 (人間に、復讐してやる。家族や同胞を殺した復讐を) 森の中を進んで、進んで血の匂いに気付いた。気になって進んでみると、そこには1人。血だらけの男が倒れていた。 (この、人間も死ぬのかな...村の皆みたいに――...) 両親を思い出した。この人にも両親がいたら悲しむのだろうか、と考えると胸が苦しくなった。もう、誰も死ぬところを見たくなかった。 治療をして、疲れたのか自分は寝ていた。起きる前に小屋から出ていこうとしていたのに。 「おい、お前が相手してくれたんだろ」 「...」 「喋れない事情でもあるのか?気配でいることは分かってるぞ」 「...おれ、不細工だから」 人間に獣人だから見られたくないなんて、言えない。この理由なら大丈夫だと思った。 「俺は今、怪我してる。見えねえから気にすんな」 「俺はお前に惚れた。顔とかそういう問題じゃない。お前の心に惚れたんだ」 「で、でも....」 (俺は獣人なのに) 「仕事が終わったら一緒に暮らさないか。もうすぐ、長年やっていた仕事が終わりそうなんだ」 「はい」 いつの間にか自分も好きになっていた。 だから、俺は決心した。 本当の姿で彼に合うことを。、 back ×
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