番外編.獣は月夜に夢をみる

診断メーカーの◯◯しないと出られない部屋の診断結果が元ネタです。
吸血鬼のコスプレをした銀時・土方とシスターのコスプレをした夢主の話。キャラ分岐。
前後の話に繋がりはありません。
天人の薬で一時的に本物の吸血鬼になっちゃうご都合設定。
やまなしおちなし意味なしのエロ、カニバリズムっぽい台詞や血を吸う表現があるので苦手な方は注意。





十月三一日。
こっちの世界にもハロウィン文化は浸透しているようで、九月も半ば頃から早々、江戸の賑やかな通りはハロウィンの飾りに彩られていた。
かぶき町もその流行に乗って、町お興しの一貫としてハロウィン仮想祭と名付けられたイベントを開催し、若者を呼び込もうとしていた。
かぶき町に店を出す者は必ず参加をするのが規約だそうで。
松本診療所からは、富や福からゴリ押しされて千草が参加することになった。


千草ちゃんに似合うと思って!
と嬉々とした顔で富と福から渡された衣装は修道服。
灰色を基調とし、膝丈のスカートの裾にレースが縫われている以外は至って普通の修道服だ。

露出の多い衣装だったらどうしようか不安で仕方なかったが、意外とシンプル、悪く言えば地味な選出に肩透かしを食らった。
聖職者ではない者がシスターの仮装をするのは少しだけ気が引けたが、修道服などこういう時でない限りは袖を通さないだろうし、いい機会だ。
千草はシスターの仮装をしてイベントへ赴いた。
イベントの内容は、至ってシンプルだ。
仮装をしてかぶき町を練り歩いて、子供たちに菓子を配る。そして、一番凝った仮装や目立った仮装をしたものを選び表彰する。
特に何の問題も起こらず淡々と進行していき、宵の頃には全てのプログラムが終わってしまった。

ーー漸く、終わったわ。早く帰ろう。慣れない格好して疲れちゃった。

診療所までの近道である人気のない小路に足を踏み入れた時だ。
突然、視界が煙で覆われた。火事かと思うが早いか。千草の意識は遠退いていった。



瞼を持ち上げると、高い天窓から差し込む月明かりが眩しくて思わず目を細めた。背中には柔らかい感触。

頭が痛い。
あれ、私……どうしたんだっけ。
かぶき町のハロウィン仮装祭に参加して、それから……。
そこからの記憶が朧気だ。
ここはどこだろう。

見知らぬ部屋のソファの上で横になっていた千草は頭を押さえながらゆっくりと起き上がる。
と、その時。
「気がついたか」と低い声がして背後から肩を掴まれた。






坂田銀時の場合

土方十四郎の場合……Comingsoon




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