「じゃあ、次は俺ね」
小さな紙袋から包みを取り出す。
見られながら出すのって緊張するなぁ。
「桜慈はこれね」
桜慈には赤い蝶のネックレスをプレゼントした。
桜慈はこのブランドが好きだったのを覚えてる。
お揃いの指輪も買おうかなって思ったけど、指輪は恋人になる人から貰いたいだろうから止めた。
「燈瑪、これ好きなの覚えててくれたんだ…ねぇ、付けて?」
髪に絡まらないように気を付けてネックレスを付け少し体を引いて離れて首元を眺める。
白い肌に赤い蝶がよく映えて凄く綺麗。
「凄く似合ってるよ」
自然と笑みを浮かべて答えると勢い良く桜慈が抱き着いてきた。
「ありがとうっ!もう外さないっ」
あまりに嬉しそうに笑う桜慈に見とれ、自分も嬉しくて笑みを溢すと背後からも抱き着かれた。
「燈瑪…俺には?」
二人の世界に入っちゃってたから陵が拗ねたらしい。
こいつも昔から甘えただなぁ。
「陵にはこれ」
顔だけ振り向かせて小さな袋を陵に差し出す。
中身は黒の髑髏のピアス。
陵の学年の色は黒だから黒の髑髏。
陵なら似合いそうだと思って買ったんだけどどうかな。俺センス無いしなぁ。
って思ってたら腕の力が強くなった。
「あんがとな。後で付けてくれよ?」
「えっ、無理無理!俺ピアスの付け方分かんないし!」
絶対変なとこに刺す自信がある!
だからそんな寂しそうに見ないでよっ。
陵の為に言ってんだから!
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