おまけ3 | ナノ
 



「最後は俺だな」

そういって陵は手に持っていた紙袋を桜慈に渡した。
袋を開ける為に桜慈は離れて代わりに陵が両腕を腰に巻き付け俺の肩に顎を乗せて桜慈の様子を眺める。
……あれ?
陵、他に何も持ってない?


「……陵、どうしたの?」

桜慈の手に持っているものは俺があげたものと同じブランドの化粧品一式。
桜慈はそれを見て驚いてる。


「燈瑪と一緒に見に行った時に、そういやお前も女だったって思い出したんだよ。いつもは今日みたいに化粧してんだから、やる」

照れ隠しなのかぶっきらぼうな言い方でも桜慈にはちゃんと気持ちが伝わったみたい。
嬉しそうに笑ってる。

「わざわざらしくない事までして選んでくれてありがとう」

「うっせぇ」


何だかんだでこの何だかんだで二人も仲良いよなぁ。
たまに喧嘩するけど喧嘩する程仲が良いって言うしね。
それは良いとして



「陵、俺には?」

どう見ても今の陵は手ぶらだ。
ポケットから何か出てくる様子もない。
寧ろ出てこない。
俺だけ無し?と思って眉を垂らすと耳元で低い笑い声が聞こえる。


「ちゃんと燈瑪にもある」

言い終わるなり首に巻いたマフラーを引っ張られる。
目の前には陵のドアップ、唇には暖かくて柔らかい感触。
直ぐに熱が離れ固まってる俺と桜慈を見ながら笑ってる陵が口を開いた。


「メリークリスマス。俺のキスはレアだぜ?」


ああ、やっぱりキスされたんだ。
でも、これってプレゼント?


「陵、お前っ…!僕もするぅっ」

両頬を掴まれ前に向き直ると今度は桜慈のドアップ。
陵よりも柔らかくてふっくらとした唇が重なる。
俺、桜慈ともキスしてる…!?


「うぇっ、ちょっとっ…」

漸く頭が状況処理をした頃には顔に熱が集まる。


「燈瑪、可愛すぎーっ」

桜慈のうっとりした顔に見とれたいけど今は恥ずかしさに勝るものは何もない。
二人ともクリスマスに浮かれ過ぎだから!




「ひーめ。来年はもっと良いの、やろうか?」

「燈瑪にはそんなのいらないよワンコ。僕がもっと良いのあげるからねー」

「……何か怖いなぁ」


また二人に前後から挟まれるようにして抱き締められ小さく呟いた。
だって何か二人とも色気が増してる気が…何をする気かな。



まぁ、この二人と一緒なら幸せだからいっか。





「じゃあ、俺が二人にもっと良いものあげるから期待しててね?」

「「!?」」






ここまで読んで下さって有り難うございます!
ちなみに、燈瑪は良いものがどんなものなのか分かってません(笑)
皆様もクリスマスをお楽しみ下さい。
メリークリスマス!




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