55.鬼さんこちら、手の鳴る方へ、 (1/5)
───なかよく、くらせていたんだ。
オレと、ミカ……そして、ティナ。
出会ってから、オレたちはシアワセだった。
オレは、ティナにいろんなことを教わった。
空は“あお”、海も“あお”、雲は“しろ”、地面は“ちゃいろ”、葉っぱは“みどり”ていうのと、
血が“あか”。肌は“はだいろ”。オレのからだは“くろ”。ティナの髪は“きんいろ”なんだって。
あと、うれしいこと、たのしいこと、かっこいいこと、かっこわるいこと、いろんな“感情”を教えてもらった。
“世界”を知れるのは、おもしろかった。
いつか、みんなでいろんなところに行こう。
そう指切り……ていうのをした。
……べつに、ホントーに指をきるわけじゃないからな!
えっと……薬指?と、薬指を、からめて、“約束”てするんだって。
そう、約束、した。
ティナ。ミカ。オレで。
いろんな“感情”を教しえてもらった。
いかりも、
かなしみも。
さみしさも。
だから、リカイ、しているんだよ。
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