49.麗しき誓いを立てる弱虫は (1/5)
前に進む一歩の仕方。
「あの人たちを、村人たちを、俺は殺してしまったんだ。
我を忘れて。老若男女なんて関係無く。
ポケモンも抵抗してきた、けど、俺は殺してしまった」斬って、斬り刻んで、叩き付けて、叩き割って、燃やして、
紅は殺してしまった。
「あの子の大好きだった世界を、壊してしまったんだ」人間も、ポケモンと等しく好きだと言ったあの子の、世界を。
「俺は、───紅は、最低だよ」大切な子を守れなかった。
あの子の大切な故郷も壊してしまった。
好きだと言った彼女に、見せれるほど、この“紅”は綺麗ではなくなってしまった。
だからという訳ではないけれど、
“紅”を、捨てようと思った。
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