空契 | ナノ
20.求めた結果の先 (2/6)


   



生き物は通常優しい光の元で、日中行動する。人間は生活リズムが狂っていないのなら通常そうだ。また、ポケモンも例外ではない。
人間よりも夜目が効くと言っても、日が沈めば自然に寝床につく。それが世の常であり、ごくごく自然。
ただし、真逆の生活を自然に過ごす者が存在するのも、世の常。環境が違えばその生活に差が生まれるのは当たり前である。
そして、その者達が光を嫌って深い深い暗闇に好んで住み着くのも致し方がないのだ。
例えば、夜のみに行動したり、

例えば…………そう、

たった今俺を背負ったまま猛ダッシュを決め込むアイクが駆け抜けている…この馬鹿みたいに広い洞窟“荒れた抜け道”に、ズバットの群が住み着いているのも、
納得しなければならないこと、なのだ。

首晒せや小娘ぇええええ
いぎゃぁああああなんかズバット来たぁああーー!?

「死ねマジ死ね今すぐ死ね能無し馬鹿」
「え、なにこれ俺が悪いのか!? 俺が悪いのか!?」

「大人しくあいつらに首晒して来い」
「つまりは死刑申告!?
首つーか死に晒せってか!?」

「誰も上手いこと言えなんざ言ってねぇんだよ少し貧血するぐらい吸われて来いっつってんだよ」
「貧血てかあいつらカラッカラに吸い付くすつもりだろぉおお!
ちょ払い落とそうとすんのヤメテ俺怪我で走れねぇんだよぉおー!!」

土下座して首晒して血ぃよこせぇえええーーー!
ズバットぉぉぉおーーーーー!





(わぁ、またズバットだぁ〜〜。親戚かなぁ?)
(……何故こうなるのだろう)
(それはアレだよぅ。復讐ぅ?)
(…………その割には、彼らは楽しげだが…)
(……あはっ)




こうして、アイクと俺はなんとか荒れた抜け道を脱出したのだった。




   

 

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