ただ、がむしゃらに暗い森の中を走っていた。
後ろから何かが追って来ているのかは後ろを見ていないから知らない…先程見た光景―――あの人間とは思えないものの姿を見てしまったら振り返る気もなくなる
第一、振り返った処で助かる訳でもないのだから…それならば、もうただ前だけを見て走り続けるしかないだろう


「はぁっ、はぁっ…」


暗闇の森をただ、ただ走り抜ける。
聞こえるのは夜の虫の音と草葉の音、自分の荒い息遣いだけだった。







5.気に入られたが最後





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