「      、      」





















最近シズちゃんの様子がおかしい。いや、進化だったらBボタン連打すりゃなんとかなる話だけどもそうじゃないんだ、俺が言いたいことは。

俺とシズちゃんは付き合い始めそして一ヶ月経とうとしている。毎日愛を囁きあってべたべたしあって遺伝子を植え付ける仲。倦怠期知らずでらぶらぶさ。な、はずなんだけど。最近妙に冷たい。シズちゃーんと言いながら抱きついても何も言わずにそっぽ向くんだぜ。いつもなら照れながら馬鹿とか死ねとか見え透いた嘘つくのにさ。その様子は、そうだな、それはまるで、俺の、なにかの言葉を待つかのようだと、思う。わからないから困っているのだけど。


「シズちゃーんなんの言葉を待っているんだい?」


後ろから抱きしめた背中の微かな振動が、俺の憶測が当たっている証拠に繋がった。シズちゃんはなにか言葉を待っている。好きは毎秒言ってるしラブは毎分言ってるしかわいいねは毎時間言ってるし結婚しようは毎日言ってる。真面目に何だ?
悩みに悩んでると(これは普段仕事している時以上に頭が回転してないか?)真上辺りから愛しい声が降ってきた。小さな声量の解答を聞いて、俺は思わず笑ってしまう。抱きしめている腕に力を込めて肯定の意を示すと照れながら「ひっつくんじゃねえ」って言われた。目を細めて、改めて幸せだと実感する。俺達世界一おにあいだよねー(あー、あれかな、俺の好きな君、その君が好きな俺、そんな俺達だからこそ俺は自身をほんの少しだけ大切に思えるようになれたのかも。だったらいいなあ)


























「空が綺麗だね、人は悲しいね」






屋上は寒い。今まではどうあがいても温かかったし、温かくする術も知ってたのに。重たい瞼を持ち上げて過去の思い出を畳んだ。
冷えた風を真っ向に受けそれでもいつも通りに笑ってみせた。




「………………」




風に金の髪を委ねながら、その人は俺を睨みつける。サングラス越しに見えた瞳から目を逸らして俺は言葉を吐き出した。そうでもしなきゃ、俺は俺じゃない。





「情報屋という職業柄、どんな手を使ってでも俺が情報を手に入れようとすることを君は知らなかったの?例え身体を汚しても、使えるものは使える。……ああ、君は綺麗だね」









その度に何度か吐いた。君と笑い合えたあの約束の破り方がわからなくて、苦しんだ。どうせなら教えてくれたっていいんじゃないの?あー、どうしてあんなに正しく愛したのだろう。
視界の端辺りに見える彼はサングラスを外した。これが俺達の戦闘の合図。うーん、屋上には何も無いから武器はおそらく素手かな。いっそおもいっきり殴られたら、嫌いになれるだろうか。





「お前は、」






呟かれた言葉の先は、続かないまま。言わないで、と願いを込めて目を見つめてしまった。知らんぷりを決め込みたかったのに、瞳は濡れている。そんなんじゃなく、あの頃みたいに見え透いた本当で俺を救ってほしかった。
(君との約束は、破れずにいるよ。この先100年生きてても大事に今度は待つからさ。)どこまでもわがままで、ずるい、俺はまた言葉を吐く。













「今までありがとう、そしてごめん。で、さよなら」

















(どうか幸せになって)































me me she

「100歳までよろしくな」








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かっこいい弱虫様に提出

臨也はシズちゃんから見て最低な感じが良いと思います(なにそれ)だけど臨也はシズちゃんに最低という印象を与えつつもシズちゃんのことを第一に考えている、とかだったら萌える←
素敵な企画に参加させていただき、ありがとうございました!らっどらぶ!
2011*4/3
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